▼狐の夢・エピローグ

彼女が絶世の美女なのは間違い無い事実である。
横島も当然そう思っているので
「あぁ、そうだな」と満面の笑みを浮かべる。

「ところで、タマモはなんか夢ってあるのか?」

今度は横島が聞いてきた。

「ん~そうねぇ、よく考えたら横島とあんまり変わらないかも」

「へ、そうなんか!?」

それに対するタマモのちょっぴり意外な答えに改めて問い直す。

「えぇ、だって私の夢は『大切な人と争いの無い世界で幸せに暮らす』だもの」

それは今まで九尾の狐というだけで追われ続けたタマモのことを考えれば当然のものと思えた。
横島はそれを静かに聞いている。

「でもね、これは私だけじゃなくて玉藻前を含めた全ての『金毛白面九尾の狐』の夢なのよ。だから…」

そこでタマモはいったん言葉を区切り、横島を正面から見つめる。
そして…


――――これからもずっと側にいてね横島。ううん、忠夫。愛してるわ……




~~『狐の夢』Fin~~
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