▼狐の夢・エピローグ

そんな少し先の未来を想像するだけで、明日からが楽しみで仕方なくなってくる。

追われるばかりであった人(狐)生が、ようやく終わる。
何があっても横島ならきっと守ってくれる。
彼と一緒なら本当にそう思えてしまうことがタマモには嬉しかった。

突然タマモはまたもやいたずら心が湧いてきたようだ。

「そういえば…」

「んぁ!?」

突然掛けられた声に横島が間抜けな声を出す。

「アンタの夢ってさ、『美人の嫁さん手に入れて、退廃的な生活を送ること』だっけ!?」

「タ、タタタタタタ、タマモさん、ど、どうしてそれを…!?」

あまり知られたくなかったのだろうか、横島がアタフタしている。

タマモは喜怒哀楽さまざまな感情あふれる横島の表情を見るのが好きだ。
横島は今とても面白い顔をしている。
またしてもいたずらは成功のようだ。

「よかったわねぇ、夢がかなったじゃない。
伝説の美女がこれからは隣にいるのよ!?」

タマモが笑いながら横島の顔を覗き込む。
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