▼狐の夢・エピローグ

「実はさ…」

横島は目の前の景色を見ながら言葉を続ける。
ちょうど日が傾き、空を茜色に染め始めていた。

「アイツに命をもらって、今日で丁度一年なんだよ。
だからさ、オレはがんばってる、ちゃんと前を向いてるってことを、アイツにきちんと報告したかったんだ。
そしてタマモ、お前との事も」

そう言って横島は一度言葉を区切った。
そして再度真剣な表情でタマモに問いかける。

「だからはっきりさせたいんだ。
もう一度言うよ。オレと一緒に来てくれ、タマモ」

しばらくの沈黙の後、聞こえてきた答えは彼の望んだものであった。

「えぇ、もちろんよ横島」

その瞬間、二人を祝福するかのように一段と夕日が輝いたように見えた…

甘い雰囲気になりそうになったとき、タマモが想像しただけで気が遠くなりそうなことを口にする。

「でもその前に、美神さんを説得しないとね!?」

「あ”っ!」

横島の顔から一気に血の気が引いていく。
しかしタマモはさらに横島を追い詰める。
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