▼狐の夢・エピローグ

心に大きすぎる傷を負ってなお、ようやく前を向いて歩き出そうとしている彼がさんざん悩んだ末に出した結論だ。
お金に対する考え方やGSという仕事についての考え方などいろいろ悩んだのだろう
タマモはいまさら自分が口を挟むことではないと理解している。

「なぁタマモ…」

「なに?」

「オレと一緒に来てくれないか?」

真剣な表情でタマモに問いかける。
返事などとっくに決まっているのだが、彼の真剣な表情を見ていたずら心が湧いてきたのだろう。

「あら、私の気持ちはこの前のアレで伝わったと思ったんだけど!?」

タマモはついそんな事を言ってみた。

「あ…、い、いや……その、まぁ……」

先ほどの真剣な表情は消え、途端にしどろもどろになる横島。
思ったとおりの反応をしてくれる彼に、タマモは満足そうだ。

「でも、いきなりどうしたのよ?」

今度はタマモが真剣な表情で聞いてくる。

横島にはどうしても今日はっきりさせたい理由があった。
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