▼狐の夢・第一話の弐
『狐の夢』第1話の弐
そこにはタマモのよく知る『バカでスケベだけど明るくて優しい』普段の横島の姿は無く、喜びや悲しみ、嬉しさや寂しさ等のすべての感情があふれすぎているが故に無表情で。
指が触れるだけでサラサラと崩れ落ちそうなほど儚く、危うい雰囲気を纏った一人の少年が立っていた。
「よこし……ま…?」
タマモは震える声でそう呟くのが精一杯であった。
心臓を鷲掴みにされたような感覚をおぼえ、目の前にいる少年を直視出来ず俯いてしまった彼女に
「お、やっと帰ってきたか。 おかえり、タマモ」と声が掛かった。
パッと上げた視線の先には、いつもの明るい笑顔でこちらを見ている横島がいた。
そこにはタマモのよく知る『バカでスケベだけど明るくて優しい』普段の横島の姿は無く、喜びや悲しみ、嬉しさや寂しさ等のすべての感情があふれすぎているが故に無表情で。
指が触れるだけでサラサラと崩れ落ちそうなほど儚く、危うい雰囲気を纏った一人の少年が立っていた。
「よこし……ま…?」
タマモは震える声でそう呟くのが精一杯であった。
心臓を鷲掴みにされたような感覚をおぼえ、目の前にいる少年を直視出来ず俯いてしまった彼女に
「お、やっと帰ってきたか。 おかえり、タマモ」と声が掛かった。
パッと上げた視線の先には、いつもの明るい笑顔でこちらを見ている横島がいた。