▼狐の夢・第3話の弐

「大丈夫?」

タマモの、自分を心配してくれる気遣いが嬉しかった。

「あぁ、ありがとなタマモ」

笑顔でタマモに礼を言う。

そんな二人のやり取りが、美神をさらにイラつかせた。

「仕事終わったんだからさっさと帰るわよ。
早く車に乗りなさいっ」

いつの間にか先に車に乗っていた美神が大声で叫んでいた。

事務所に戻る車の中、美神は終始不機嫌そうな顔でハンドルを握っている。
横島は流れる景色を黙って眺めていた。
美神のコブラは二人乗りのため、タマモは子狐状態で横島の膝の上で目を瞑って大人しくしている。

果たして彼らはこのとき何を思い、何を考えていたのか…
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