▼狐の夢・第3話の弐

『狐の夢』第3話の弐

最近美神は数多くの除霊をこなしていた。
それこそ普段は絶対に受けないような金額の依頼さえも…
それはまるで、このところ溜まっていた鬱憤を悪霊にぶつけることで晴らしているようであった。

「このGS美神令子が極楽に逝かせてあげるわっ!!」
お決まりの台詞を言いながら今日も悪霊をシバきたおしている。

そして除霊が完了したとき恍惚とした表情で美神がこんなことを呟いた。

「さ、これで終わりね。お金もらって悪霊シバくのって気持ちいいわぁ~。
これで5千万よ、5千万。ボロいわね~」

いつもの美神らしい一言。ずいぶんご機嫌なようだ。
事務所のメンバーも、「やれやれ…」という顔をしている者がほとんどだ。

「…………」

そんな中、一人黙って何かを考えている様子の人物がいた…
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