▼狐の夢・第2話の弐

「よかった……」小さな声でそう呟く。

「どうした…?」

いつの間にか復活していた横島が尋ねた。

「さっき私の力が覚醒したときに、ヨコシマの霊基構造と私の霊基構造がリンクしたの。
その時にね、あの後のアナタの記憶も見えたのよ。
本当にごめんねヨコシマ…」

そう呟くルシオラの表情は本当に辛そうだった。
しかし、

「でも今のアナタを見て安心したわ、それでこそ私の知ってるヨコシマだもの」

そう言って目じりに涙を湛えて笑う彼女はとても綺麗だった。

「いい娘ね、タマモちゃん」
ルシオラがやさしく微笑みながら言う。

「そうかぁ?毎回毎回人の非常食を勝手に食うようなやつだぞ?」

それに対して横島は苦笑いをしながらそう答える。

「ホントはまんざらでもないんでしょ?」
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