▼狐の夢・第2話の弐

「ここはヨコシマの夢の中みたいなものよ。
あの最後の瞬間、残り少ない霊力を全て振り絞ったでしょう?
ほら、霊力も魔力も神通力も、結局は魂の持つ力なわけじゃない。
最後の最後で、私の霊基構造に含まれている力まで搾り出したの。
さすがはワイルドカードね」

そう説明するルシオラの顔は、どこか誇らしげだった。
しかし彼女の表情がなんとなく辛そうなものに変わる。

「でもそのせいで…」

そこで言葉を詰まらせるルシオラ。
その雰囲気を悟った横島が焦って問いかける。

「な、なんだよ。も、も、もしかしてオレ、死んじゃう…とか?」

しかし、その問いに対する答えは横島の予想をはるかに超えていた。

「大丈夫よ、死んだりしないから。ていうか、死ねないし…」

「そうか、よかっ……、……へっ!?」
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