いつの間にか横島の背後に回っていた彼女が、彼をそっと抱きしめながら呟いた。
抱きしめられている背中から彼女が微かに震えているのが伝わってくる。
横島は背後から回されている彼女の腕に、そっと自分の手を重ねて呟いた。

「いや、ルシオラが謝ることなんてねーよ。
おまえがいなくなってから、いかにオレのことを思ってくれていたか気付かされたしな。
謝んなきゃいけねーのはオレの方だ。
ヤりたいだのヤりたくないだのテメーのことばっかりで、おまえのことちっとも考えてなかった。
おまけに、おまえの最後の願いも捻じ曲げちまうところだったよ…」

その間、彼女は黙って横島の話を聞いていた。

「ところで、なんでルシオラがここにいるんだ？それにここは？」

暗くなりかけた雰囲気を変えるためか、横島は話題を変えることにしたようだ。