▼狐の夢・第2話の壱
文珠を作ろうと右手に霊力を集めていた横島は、ふと何かを感じ後ろを振り返った。
振り返った彼が見たものは、魔力をまとった右手を今まさに振り下ろし、命を刈り取ろうとしている黒い何か。
襤褸をまとっている為その姿を確認することは出来ないが、伝わってくるのは敵意・殺意・悪意などの冷たい負の感情のみ。
絶対的な死がそこにあった。
「しまったっ、タマモっ、ルシオラっ! クソッ、こんなとこで死んでたまるかよーーーっ!!」
横島はそう叫び、残った全ての霊力を右手に集中させた。
その瞬間、横島とタマモの身体を不思議な光が包み込む。
なんとなく暖かい光を感じ薄っすらと目を開けたタマモは、ショートボブの髪型に一対の触角を生やした少女が自分と横島を抱きしめているのを見た。
「ヨコシマとタマモちゃんは死なせないわ」
その優しい声を聞きながら今度こそタマモは意識を手放した。
横島も霊力を使い果たしてしまったのか、急激に意識が暗闇に沈んでいく。
沈み行く意識の中、彼は懐かしい声を聞いたような気がした。
「ヨコシマとタマモちゃんは死なせないわ」
振り返った彼が見たものは、魔力をまとった右手を今まさに振り下ろし、命を刈り取ろうとしている黒い何か。
襤褸をまとっている為その姿を確認することは出来ないが、伝わってくるのは敵意・殺意・悪意などの冷たい負の感情のみ。
絶対的な死がそこにあった。
「しまったっ、タマモっ、ルシオラっ! クソッ、こんなとこで死んでたまるかよーーーっ!!」
横島はそう叫び、残った全ての霊力を右手に集中させた。
その瞬間、横島とタマモの身体を不思議な光が包み込む。
なんとなく暖かい光を感じ薄っすらと目を開けたタマモは、ショートボブの髪型に一対の触角を生やした少女が自分と横島を抱きしめているのを見た。
「ヨコシマとタマモちゃんは死なせないわ」
その優しい声を聞きながら今度こそタマモは意識を手放した。
横島も霊力を使い果たしてしまったのか、急激に意識が暗闇に沈んでいく。
沈み行く意識の中、彼は懐かしい声を聞いたような気がした。
「ヨコシマとタマモちゃんは死なせないわ」