▼狐の夢・第一話参

その際必ず彼の非常食である『赤○きつね』が2つずつ無くなっていき、その度に文句を言う横島であったが決して『緑○たぬき』にしないところや隠し場所を変えないところなどをみると、彼なりの優しさが窺えるのであった。



(あの時からだったっけ… さすがに今考えるとちょっとやりすぎだったかな?)

ずいぶん長い時間思考に没頭していたようで、タマモはすっかり冷めてしまったきつねうどんを啜りながら
なんとなく時計を見た。

「やばっ、もうこんな時間!?」

「げっ、美神さんにシバかれてまう! タマモ、急げっ!」

「ちょっ、待ってよ横島!」

今日はこの後美神の指示により、横島とタマモの二人で郊外の森へ霊障の調査へ行く予定となっていた。
二人は慌ててアパートを飛び出し、真っ赤な夕日を浴びながら美神の事務所へ向かって走り出すのであった…
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