「んっ…………」

軽く伸びをし、目を覚ました彼女は見慣れない部屋の中に居る自分の現状がいまいち理解できていなかった。

（ここは！？）

辺りを見回してみると薬品棚が見えたため、恐らく学園の保健室なのだろうとあたりをつける。

眠りから覚めたばかりで思考はまだはっきりとしないが、身体のほうは本人も気づいていなかった慢性的な疲労がすっかり無くなっていた。
ベッドから降りた彼女が身体を動かしてみたときにそれははっきりと感じられた。

（身体のキレが良い！？　まるで10代の頃みたいな……）

あまりのキレの良さについつい体を動かしてみたくなりベッドの脇に立てかけてあった愛刀を掴み外に飛び出そうとし、彼女を心配して見舞いに来た人影とぶつかってしまった。

「ちょ、ちょっと刀子、あなたなにしてるの？　今日くらいはゆっくり休んでなくちゃだめじゃない。
学園長も今日のシフトは入らなくていいとおっしゃっていたわよ？　ちょっと刀子、聞いてる…………の……？」