▼竜神様はお年頃

二人の鼻先が触れ合う瞬間、「チュインッ!」という音とともに灼熱の何かが通り過ぎていった。

「あだっっっ!てか、熱っっっ!!!」

いや、どうやら横島の鼻に掠っていたようだ。
慌てて横島と小竜姫は何かが飛んできた方を見た。

「「ワ、ワルキューレ!?」」

そこにはライフルのスコープ越しにこちらを狙う戦乙女がいた。

「な、なにすんじゃワルキューレ、いいとこだったのにっっっ!!!」

横島のド本音の言葉に真っ赤になる小竜姫。
しかしワルキューレは冷たい瞳のまま吐き捨てる。

「お前たちの邪魔をしているに決まっているだろう!?」

「なんでじゃーっ!!」

小竜姫とのキスを邪魔された横島はすっかり涙目でワルキューレに怒りをぶつける。

「き、貴様が悪いんだろうがっ!!あんなに期待させるようなことを言っていたくせに小竜姫とゴニョゴョ……」

「なんで俺のせいなんじゃーっ!あと、小竜姫さまがどーしたってー?」

ワルキューレの最後のほうの言葉は聞こえなかったようだが、二人の口論は激しさを増していく。
その中へあえて飛び込む兵(つわもの)がいた。
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