▼竜神様はお年頃

((どうしたのかしら、特におかしな所はなさそうなんだけど。額にアレがくっついてる以外は……))

ルシタマの二人がそんな事を考えている間にも、横島の顔色はどんどん青ざめていった。
これはいよいよ尋常じゃないと気付き声をかけようとした瞬間、切羽詰まった表情と焦りを含んだ声で横島が叫んだ。

「小竜姫さまがヤバイっ!!!!!」

あまりの剣幕に一瞬思考がフリーズしかけたルシオラとタマモであったが、すぐさま行動に移る。

「「何があったの、ヨコシマ(忠夫)っ!?」

「話しは後だ。急いで妙神山へ行くっ!!」

横島は二人にそう告げると店を飛び出した。

「ヒャクメ、掴まれっ!二人もだっ!!!」

ヒャクメが突然かけられた声に驚いてしまったのは仕方が無い。

「えっ、え!? 横島さんなのね?ルシオラさんたちも。 ど、どうしたのねそんなに慌てて。て、あーっ、私の千里眼ーっ!」

「いまはそれどころじゃないっ!さっさと掴まれ、置いてくぞっっ!!!」

「は、はいなのねっ」

あまりの剣幕にヒャクメはとりあえず訳もわからないまま横島にしがみつく。
14/27ページ
スキ