▼竜神様はお年頃

どうやら探しものは地面に転がっているらしいが、今回の旅行も発案者以外は目的を聞いていないらしい。
いいのか、それで!?

「なぁタマモ、今更なんだが何探してんだ?」

「天眼石よ」

「「天眼石?」」

「そ、天眼石。別名『チベット瑪瑙』とも言うわね。
まるで『眼』のように見える年輪みたいな模様が特徴で、邪気払いや魔よけの効果があるらしいのよ。
ダライラマ14世もノーベル平和賞の受賞式の時に身につけていたらしいわ。
地中からじゃなくて地表で発見されたことから、『天から降ってきた神の眼』
ていう意味を込めてこの名前がついたらしいわね」

「へぇ~、随分詳しいんだな。ちょっと意外というか、そういうのはどっちかっちゅうとルシオラのほうが詳しそうな気がするが」

「ホントね。タマモちゃんがお揚げ以外に興味を持つなんて」

横島の呟きに、ルシオラがクスクス笑いながら答える。
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