▼竜神様はお年頃

「くうぅっ…」

手首に受けた衝撃に苦痛の声を漏らしつつ、地面を転がりながらなんとか追撃の
弾丸を避けることに成功する。

勢いよく立ち上がり直ぐさま構えを取る小竜姫であったが、

「お前はよく戦った。だがここまでだ……」

不意に聞こえた声と共に小竜姫の後頭部に銃口が突き付けられた。

「どうやらそのようですね……」

悔しそうにつぶやきながらも、己の負けを認めた小竜姫は竜気を纏っていた身体
からその力を抜いた……




『竜神様はお年頃!?』


【妙神山】

「(明日ですね、あの人が来るのは。早く明日にならないかしら///)………はぁ」

沈みゆく夕陽を眺めながら、赤毛の女性が何やらため息をついている。
普段の隙の無い凛とした雰囲気とは違いかなり無防備だ。
その証拠に、背後から近付く人影にも気付いていない。
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