▼2010Wカップ記念

「アンタが最後の方で鼻の下伸ばしてたの知ってんだから。あ、もちろんルシオラもね」

「あうっ…」

ニヤニヤ笑いながら自分を見ているタマモの顔をみて、横島は自分の相変わらずの迂闊さにようやく気付いたようだ。

「フッ、自業自得ね」

「ぐっ、どーせ俺は所詮道化の方が似合うんじゃ、ドチクショーっ」

タマモに鼻で笑われた横島が泣きわめく。
が、救いの女神はすぐ近くに居たようだ。

「ねぇヨコシマ、この状態で他の女の人にまでモテたいなんて言うのが知られたら、
世の中の男の人全員を敵に回すことになると思うんだけど?」

可笑しそうに柔らかく笑うルシオラの声を聞いて、ようやく自分の今の状態を再度確認する横島。

(そういえば、この後頭部に感じる温もりは…)

そう思いながら、タマモとは反対の方に頭を捻る。
すると、笑いながら自分を見おろす形となっているルシオラと目があった。

そう、ルシオラは横島がピッチの外に運び出されてからずーっとひざ枕をしていたのだ。

 
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