▼DesiresQueen 第十二話

横島はモモンガが喋ってるんだから猿が喋ってもおかしくないかと思いつつ勧められるままに畳へと座った。

『僕タチヲ待ッテタヨウナ言イ方ダッタケド、アンタ何者?』

『儂は此処に住む単なる猿じゃよ、因みに用があるのは正確には嬢ちゃんの方じゃよ』

「俺?何でまた」

横島は猿に聞かれるような事あったかな?と首を傾げる。

『所でお主名前は?』

「横島百樹だよ」

本名は横島忠夫なのだが、すっかりその事を忘れつつあるのかもしれない。

『なら横島と呼ぶとするか、何お主に興味を持っての』

「あれ俺告白されとる?ご免流石に無理です」

『単ナル猿ノ癖ニ僕ノユキニ手ヲ出スナ!』

丁重にお付き合いを断る横島とその前に飛び上がり威嚇する桃太郎。

「おっ!妬いてくれとるんか?ありがとな桃太郎」

『当タリ前ダヨ!』

「この可愛いモフモフめ!」

『キュ~ン、モット撫デテ~』

呆然としている猿を尻目にじゃれあっていた。
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