欲から始まる恋もある
「なんか用か? 愛野。」
それは横島が高校二年の三学期も残りわずかの三月のことだった。
帰宅部の横島は学校が終わるとすぐに帰るのだが、学校を出たところでクラスメートの女子が何故か横島の後を着いて来ている。
特別親しい訳ではないごく普通のクラスメートの女子に、まるで後を着いてくるように後ろを歩かれると横島は気になってしまい声をかけていた。
「うん。 今日バイトないんでしょ? ここじゃなんだから横島君の部屋で話すよ。」
「なんだ厄介事か? 金ならないぞ。」
「横島君にお金たかるくらいならバイトするよ。」
「さいでっか。」
彼女の名は愛野詩織。
クラスでも可愛い方であり明るい性格から学校でも人気がある。
学校では挨拶程度しかしないクラスメートが突然用事があると放課後に現れたことで、横島は厄介事かと少しめんどくさそうな表情をするも拒否するつもりはないらしい。
まさか金をたかりに来たのかと若干失礼な想像をするが愛野はそんな横島の言葉を軽く受け流し後を着いていく。
「おかまいなく。」
「安心しろ。 安もんのインスタントコーヒーしかねえよ。」
部屋に到着早々ドアの前でしばらく待たされた愛野は慌てて部屋を片付けたであろう横島をニヤニヤと見つつ、部屋に上がると物珍しそうにキョロキョロと見渡していた。
「それで用事は? まさかピートへのラブレターの配達じゃねえよな? 霊障か?」
「ううん。 横島君とエッチしようと思って。」
「…………やっぱり美人局かー! 金はないっちゅうねん!!」
相変わらずめんどくさそうな表情をする横島は愛野にインスタントコーヒーを出すとさっそく用件を尋ねるも、それは美人局かたちの悪い冗談かと大声で叫び部屋のドアや外を窓の外を見渡すも怖いお兄さんもたちの悪いクラスメートも居ない。
「なんで私が身体張ってそんなことしなきゃダメなのよ。 横島君私のことそんな目で見てたの?」
「突然そんなこと言い出したら誰でも疑うわ! 俺がクラスでなんて言われて馬鹿にされてるか知らん訳ないやろが!」
「……好きだったのよ。 ずっと。」
絶対何か裏があると疑ってまるで信じない横島に愛野は深いため息をつくと今度は真面目な表情で突然告白してくる。
「お前変だぞ。 本当何があった?」
少し悲しげに告白するクラスメートに横島は次第に冗談ではなくただ事ではないと考え、本当のことを言うように問いただしていく。
「ちょっと待て! 脱ぐな! そんなことせんでも力になるから!」
だが愛野はそんな横島に複雑そうな感情を圧し殺した表情をすると突然立ち上がり制服を脱ごうとして横島は慌てて立ち上がり止めようとするも、縺れ合った二人は部屋の隅にある畳んだ布団のところに愛野が横島に覆い被さる形で倒れ込む。
「ふふ、本当お人好しだよね。 横島君。 全然変わってない。」
「はあ? とりあえず落ち着けって……ちょっと待てって!?」
その瞬間横島がとっさに愛野が怪我をしないようにと庇ったため下になったが、そんな横島に彼女は笑みを溢して自ら横島の頭に手を回すと唇を重ねてしまう。
アワアワと慌てる横島は酷く滑稽であるが、重なった唇により横島はようやく愛野が本気なのだと覚る。
「……あのさ。 本気なのは分かったからちょっと冷静にだな。」
「ここまで来て私に恥をかかせたいの? それとも私ってそんなに魅力ない?」
「いや、そうじゃないけど。 なんか変だし。」
最早一連の主導権は横島にはなかった。
愛野は恥ずかしそうに笑みを見せながらも制服のリボンを外し脱いでいくとすべてをさらけ出し身を委ねてしまい。
横島は最後の最後まで葛藤があったようだが、ごくりと生唾を飲み込むと我慢出来なかったのか本気になり二人は狭いアパートの部屋で結ばれることになる。
それは横島が高校二年の三学期も残りわずかの三月のことだった。
帰宅部の横島は学校が終わるとすぐに帰るのだが、学校を出たところでクラスメートの女子が何故か横島の後を着いて来ている。
特別親しい訳ではないごく普通のクラスメートの女子に、まるで後を着いてくるように後ろを歩かれると横島は気になってしまい声をかけていた。
「うん。 今日バイトないんでしょ? ここじゃなんだから横島君の部屋で話すよ。」
「なんだ厄介事か? 金ならないぞ。」
「横島君にお金たかるくらいならバイトするよ。」
「さいでっか。」
彼女の名は愛野詩織。
クラスでも可愛い方であり明るい性格から学校でも人気がある。
学校では挨拶程度しかしないクラスメートが突然用事があると放課後に現れたことで、横島は厄介事かと少しめんどくさそうな表情をするも拒否するつもりはないらしい。
まさか金をたかりに来たのかと若干失礼な想像をするが愛野はそんな横島の言葉を軽く受け流し後を着いていく。
「おかまいなく。」
「安心しろ。 安もんのインスタントコーヒーしかねえよ。」
部屋に到着早々ドアの前でしばらく待たされた愛野は慌てて部屋を片付けたであろう横島をニヤニヤと見つつ、部屋に上がると物珍しそうにキョロキョロと見渡していた。
「それで用事は? まさかピートへのラブレターの配達じゃねえよな? 霊障か?」
「ううん。 横島君とエッチしようと思って。」
「…………やっぱり美人局かー! 金はないっちゅうねん!!」
相変わらずめんどくさそうな表情をする横島は愛野にインスタントコーヒーを出すとさっそく用件を尋ねるも、それは美人局かたちの悪い冗談かと大声で叫び部屋のドアや外を窓の外を見渡すも怖いお兄さんもたちの悪いクラスメートも居ない。
「なんで私が身体張ってそんなことしなきゃダメなのよ。 横島君私のことそんな目で見てたの?」
「突然そんなこと言い出したら誰でも疑うわ! 俺がクラスでなんて言われて馬鹿にされてるか知らん訳ないやろが!」
「……好きだったのよ。 ずっと。」
絶対何か裏があると疑ってまるで信じない横島に愛野は深いため息をつくと今度は真面目な表情で突然告白してくる。
「お前変だぞ。 本当何があった?」
少し悲しげに告白するクラスメートに横島は次第に冗談ではなくただ事ではないと考え、本当のことを言うように問いただしていく。
「ちょっと待て! 脱ぐな! そんなことせんでも力になるから!」
だが愛野はそんな横島に複雑そうな感情を圧し殺した表情をすると突然立ち上がり制服を脱ごうとして横島は慌てて立ち上がり止めようとするも、縺れ合った二人は部屋の隅にある畳んだ布団のところに愛野が横島に覆い被さる形で倒れ込む。
「ふふ、本当お人好しだよね。 横島君。 全然変わってない。」
「はあ? とりあえず落ち着けって……ちょっと待てって!?」
その瞬間横島がとっさに愛野が怪我をしないようにと庇ったため下になったが、そんな横島に彼女は笑みを溢して自ら横島の頭に手を回すと唇を重ねてしまう。
アワアワと慌てる横島は酷く滑稽であるが、重なった唇により横島はようやく愛野が本気なのだと覚る。
「……あのさ。 本気なのは分かったからちょっと冷静にだな。」
「ここまで来て私に恥をかかせたいの? それとも私ってそんなに魅力ない?」
「いや、そうじゃないけど。 なんか変だし。」
最早一連の主導権は横島にはなかった。
愛野は恥ずかしそうに笑みを見せながらも制服のリボンを外し脱いでいくとすべてをさらけ出し身を委ねてしまい。
横島は最後の最後まで葛藤があったようだが、ごくりと生唾を飲み込むと我慢出来なかったのか本気になり二人は狭いアパートの部屋で結ばれることになる。
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