短編集美衣
『美衣ルートハッピーエンド?』
それは横島が猫又の親子を助けた日の夜のこと
本来ならば森の奥に連れて行き別れるはず運命だったのだが、横島は何故か美衣とケイに引き止められるままに数日一緒に居ることになっていた
「横島さん……、本当になんとお礼を言ったらいいか……」
不安そうな美衣とケイに頼まれるままにゴルフ場計画が白紙に戻るまで一緒に居ることを決めた横島だったが、慣れない事をした結果生まれて始めて尊敬の眼差しで見つめられて反応に困ってしまう
「本当に気にせんで下さい」
何度も何度もお礼を言う美衣に横島は困ったように気にしなくていいからと告げるが、ケイの尊敬の瞳は変わらないし美衣はいつの間にか熱い視線を横島に向けるようになっていた
「あのお風呂が湧いたので、先にどうぞ……」
美衣の手料理で夕食を済ませた横島は勧められるままに風呂に入るが、そこは昔ながらの五右衛門風呂だった
(なんか美衣さんの視線を見てると我慢が出来なくなりそうな…… あと二日我慢出来るかな)
美衣とケイを助けられた横島は湯舟に浸かりながらホッと一安心つくが、危機がさって安心すると煩悩がムクムクと沸き上がって来る
妖艶な色気を持つ美衣がいつの間にか熱い視線を送って来ている事に気付いている横島は、自分の理性が何処まで持つか不安で仕方ない
(いっそ今夜こそ……)
今夜夜ばいをすれば成功するような気はした横島だったが、尊敬の眼差しで見つめていたケイを思い出すと実行に移すことなど出来る訳がない
「あの、湯加減はいかがですか?」
「あっ、ありがとうございます。 ちょうどいいっすよ」
妄想が半ば暴走しかけた時に外から湯加減を尋ねる美衣の声が聞こえ、横島は慌てたように声を上擦らせて答えてしまった
そんな横島の声に美衣は微かに嬉しそうな笑みを浮かべていたのだが、横島には見えるはずもない
「お背中流します」
「みっみっみっ………」
外から美衣の気配が去って行きホッと一息ついた横島だったが、すぐに風呂場の扉が開き人間の姿になった美衣が全裸で入って来る
その瞬間横島は鼻血を吹き出しまるで壊れたラジオのように同じ言葉を繰り返してるが、美衣は全く気にした様子もなければ身体を隠すこともしない
「もし妖怪の私でも良ければ……」
まるで突き刺さるような横島の視線に美衣は嬉しそうな笑顔を見せつつ、ゆっくり近付き湯加減に足を踏み入れる
元々狭い五右衛門風呂なだけに当然密着してしまう二人だったが、薄っぺらい横島の理性はここで吹き飛んでしまう
「やっちまった……」
横島が理性を取り戻したのは翌朝であった
何故かこの日はケイが隣の部屋で一人で寝ており、横島は普段美衣達が寝てる部屋で朝まで燃えていたらしい
「横島さん……、ありがとうございます」
いろいろと乱れた美衣はとても幸せそうにそう呟くが、その姿に横島が再び暴走したのは言わなくても分かるだろう
この後横島は当初の目的や約束と全く関係なく、猫又の親子と一緒に暮らすことになる
それは決して楽な暮らしではなかったが、横島も美衣もケイも幸せな毎日のようだった
それは横島が猫又の親子を助けた日の夜のこと
本来ならば森の奥に連れて行き別れるはず運命だったのだが、横島は何故か美衣とケイに引き止められるままに数日一緒に居ることになっていた
「横島さん……、本当になんとお礼を言ったらいいか……」
不安そうな美衣とケイに頼まれるままにゴルフ場計画が白紙に戻るまで一緒に居ることを決めた横島だったが、慣れない事をした結果生まれて始めて尊敬の眼差しで見つめられて反応に困ってしまう
「本当に気にせんで下さい」
何度も何度もお礼を言う美衣に横島は困ったように気にしなくていいからと告げるが、ケイの尊敬の瞳は変わらないし美衣はいつの間にか熱い視線を横島に向けるようになっていた
「あのお風呂が湧いたので、先にどうぞ……」
美衣の手料理で夕食を済ませた横島は勧められるままに風呂に入るが、そこは昔ながらの五右衛門風呂だった
(なんか美衣さんの視線を見てると我慢が出来なくなりそうな…… あと二日我慢出来るかな)
美衣とケイを助けられた横島は湯舟に浸かりながらホッと一安心つくが、危機がさって安心すると煩悩がムクムクと沸き上がって来る
妖艶な色気を持つ美衣がいつの間にか熱い視線を送って来ている事に気付いている横島は、自分の理性が何処まで持つか不安で仕方ない
(いっそ今夜こそ……)
今夜夜ばいをすれば成功するような気はした横島だったが、尊敬の眼差しで見つめていたケイを思い出すと実行に移すことなど出来る訳がない
「あの、湯加減はいかがですか?」
「あっ、ありがとうございます。 ちょうどいいっすよ」
妄想が半ば暴走しかけた時に外から湯加減を尋ねる美衣の声が聞こえ、横島は慌てたように声を上擦らせて答えてしまった
そんな横島の声に美衣は微かに嬉しそうな笑みを浮かべていたのだが、横島には見えるはずもない
「お背中流します」
「みっみっみっ………」
外から美衣の気配が去って行きホッと一息ついた横島だったが、すぐに風呂場の扉が開き人間の姿になった美衣が全裸で入って来る
その瞬間横島は鼻血を吹き出しまるで壊れたラジオのように同じ言葉を繰り返してるが、美衣は全く気にした様子もなければ身体を隠すこともしない
「もし妖怪の私でも良ければ……」
まるで突き刺さるような横島の視線に美衣は嬉しそうな笑顔を見せつつ、ゆっくり近付き湯加減に足を踏み入れる
元々狭い五右衛門風呂なだけに当然密着してしまう二人だったが、薄っぺらい横島の理性はここで吹き飛んでしまう
「やっちまった……」
横島が理性を取り戻したのは翌朝であった
何故かこの日はケイが隣の部屋で一人で寝ており、横島は普段美衣達が寝てる部屋で朝まで燃えていたらしい
「横島さん……、ありがとうございます」
いろいろと乱れた美衣はとても幸せそうにそう呟くが、その姿に横島が再び暴走したのは言わなくても分かるだろう
この後横島は当初の目的や約束と全く関係なく、猫又の親子と一緒に暮らすことになる
それは決して楽な暮らしではなかったが、横島も美衣もケイも幸せな毎日のようだった
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