新しき絆
「美神美智恵はかなり焦ってるわ。 どうも、魔鈴さんを忠夫から引き離すつもりらしいわ」
百合子は先ほどとは一変して鋭い表情になる
その表情は雪之丞でさえ背中に寒いものが走る思いである
(何度も死線を潜り抜けて来た俺に恐怖を与えるなんて…)
雪之丞はその時、百合子の真の恐ろしさを感じていた
戦う力は雪之丞の方が圧倒的に上である
それなのに、雪之丞は百合子に恐怖を感じた
その気迫に驚き百合子を見ている
「ごめんなさいね。 少し感情的になったわ」
百合子はそうな話すと、刺すような気迫は消える
しかし表情は険しいままで、目には凄まじいほどの力がこもっている
「標的は魔鈴さんか…」
雪之丞は百合子の変化を気にせず話を進める
「ええ、それは私達が誘導したからね」
百合子は意味ありげな表情である
「誘導?」
雪之丞は意味を考える
「去年の末に美神美智恵は忠夫の身辺を調べてるのよ。 その時私達が手を打って隠した情報は雪之丞君とタマモちゃんとシロちゃんのことだけ 魔鈴さんとの情報はそのまま流したの」
「なんで其処までわかっていて情報を流したんだ?」
百合子の説明に雪之丞は不思議そうに聞く
そこまで介入出来るなら、全て隠すのも難しく無いはずだから…
「美神美智恵が調べさせたってことは、その前に何かしらの情報を得たからよ。 恐らく魔鈴さんと忠夫の関係か、タマモちゃんの保護の話かどちらか… どっちにしても彼女は納得いくまで調べるわ。 情報が全く行かないとかえって不自然なのよ。 理由はともかく、忠夫が変わった原因を魔鈴さんだけにした方が向こうの監視が楽なのよ。 タマモちゃんとシロちゃんは人質に近いわ。 だから、あの子達の情報は出来るだけ隠したかったの。 魔鈴さんならこちらも守りやすいしね」
百合子の話に雪之丞は今日一番の驚きで聞いていた
自分や横島達の知らないとこでの情報戦の凄さに言葉がでない
「なるほど… 隠し通すのが難しいなら、こちらに有利な情報だけを与えるのか…」
雪之丞は頭を整理して、現状を考える
「ええ、今一番騒がしいのは魔鈴さんの周辺よ。 あちこちに手を回して、忠夫から引き離そうとしてるわ」
百合子は少し怒りの表情で話している
「無理だろ? 今更あの2人を引き離すのは…」
雪之丞は美智恵の意図が読めない
「美神美智恵は情報が足りないのよ。 根本的な原因は知らないわ」
根本的な原因
それがあの戦いを差すのは雪之丞ならすぐにわかった
「あの頭のキレる人がな…」
「人間的な価値観が違い過ぎるのよ。 美神美智恵じゃあ、忠夫の本心は理解出来ないわ。 それに忠夫もうまくごまかしてたみたいだしね…」
百合子は雪之丞の呟きに答えるように話す
「それで雪之丞君、私達と協力して欲しいの」
百合子はここで本題を話し出した
「協力? 具体的に俺は何をすればいいんだ?」
雪之丞は百合子の話に少し意外そうに聞く
情報力も行動力も百合子が圧倒的に上
雪之丞は何を求められてるか不思議だった
「基本的には今と変わらないわ。 ただ、私達と連携して欲しいの。 残念ながら私達には美神親子と直接戦う力は無いのよ。 だから万が一に備えて、協力してくれない?」
百合子は真剣な表情で雪之丞に軽く頭を下げる
百合子は先ほどとは一変して鋭い表情になる
その表情は雪之丞でさえ背中に寒いものが走る思いである
(何度も死線を潜り抜けて来た俺に恐怖を与えるなんて…)
雪之丞はその時、百合子の真の恐ろしさを感じていた
戦う力は雪之丞の方が圧倒的に上である
それなのに、雪之丞は百合子に恐怖を感じた
その気迫に驚き百合子を見ている
「ごめんなさいね。 少し感情的になったわ」
百合子はそうな話すと、刺すような気迫は消える
しかし表情は険しいままで、目には凄まじいほどの力がこもっている
「標的は魔鈴さんか…」
雪之丞は百合子の変化を気にせず話を進める
「ええ、それは私達が誘導したからね」
百合子は意味ありげな表情である
「誘導?」
雪之丞は意味を考える
「去年の末に美神美智恵は忠夫の身辺を調べてるのよ。 その時私達が手を打って隠した情報は雪之丞君とタマモちゃんとシロちゃんのことだけ 魔鈴さんとの情報はそのまま流したの」
「なんで其処までわかっていて情報を流したんだ?」
百合子の説明に雪之丞は不思議そうに聞く
そこまで介入出来るなら、全て隠すのも難しく無いはずだから…
「美神美智恵が調べさせたってことは、その前に何かしらの情報を得たからよ。 恐らく魔鈴さんと忠夫の関係か、タマモちゃんの保護の話かどちらか… どっちにしても彼女は納得いくまで調べるわ。 情報が全く行かないとかえって不自然なのよ。 理由はともかく、忠夫が変わった原因を魔鈴さんだけにした方が向こうの監視が楽なのよ。 タマモちゃんとシロちゃんは人質に近いわ。 だから、あの子達の情報は出来るだけ隠したかったの。 魔鈴さんならこちらも守りやすいしね」
百合子の話に雪之丞は今日一番の驚きで聞いていた
自分や横島達の知らないとこでの情報戦の凄さに言葉がでない
「なるほど… 隠し通すのが難しいなら、こちらに有利な情報だけを与えるのか…」
雪之丞は頭を整理して、現状を考える
「ええ、今一番騒がしいのは魔鈴さんの周辺よ。 あちこちに手を回して、忠夫から引き離そうとしてるわ」
百合子は少し怒りの表情で話している
「無理だろ? 今更あの2人を引き離すのは…」
雪之丞は美智恵の意図が読めない
「美神美智恵は情報が足りないのよ。 根本的な原因は知らないわ」
根本的な原因
それがあの戦いを差すのは雪之丞ならすぐにわかった
「あの頭のキレる人がな…」
「人間的な価値観が違い過ぎるのよ。 美神美智恵じゃあ、忠夫の本心は理解出来ないわ。 それに忠夫もうまくごまかしてたみたいだしね…」
百合子は雪之丞の呟きに答えるように話す
「それで雪之丞君、私達と協力して欲しいの」
百合子はここで本題を話し出した
「協力? 具体的に俺は何をすればいいんだ?」
雪之丞は百合子の話に少し意外そうに聞く
情報力も行動力も百合子が圧倒的に上
雪之丞は何を求められてるか不思議だった
「基本的には今と変わらないわ。 ただ、私達と連携して欲しいの。 残念ながら私達には美神親子と直接戦う力は無いのよ。 だから万が一に備えて、協力してくれない?」
百合子は真剣な表情で雪之丞に軽く頭を下げる