新しき絆
次の日から、横島達は緊張感ある日々を送っている
横島の予想に反して、美智恵の動きは見えなかった
静かなる動きが余計に横島を警戒させていく
そんな中、横島百合子は人知れず帰国していた
「紅井百合子が来たとお伝え下さい」
百合子は馬鹿でかい門の前で、召使いらしき女性に話す
すると、百合子はすぐに中に案内された
豪華で広い応接室で、百合子はある人物を待っている
「お久しぶりね~。 百合子ちゃん~」
間延びした口調に和服を着た女性が百合子の前に現れる
「お久しぶりです。 六道さん」
百合子は冷たい笑みを浮かべて頭を下げた
百合子が会いに来たのは、六道冥菜
六道冥子の母である
「急にどうしたの~ 何年ぶりかしらね~ やっと家の会社に来てくれるの~?」
この二人が合うのは約20年ぶりである
その昔、百合子は独身の時に六道家にスカウトされていた
だが、百合子は断ったのだ
「いえ、今日は息子のことで来ました」
百合子は淡々と話すが、冥菜は一瞬ピクリと止まる
「そう言えば、百合子ちゃん結婚したのよね~ 相手は確か…」
冥菜は何事も無かったように、再び相変わらずの口調で話し出していた
「横島大樹です。 息子は横島忠夫…、随分こちらにお世話になったらしいですわね」
百合子は殺気と威圧感を露わにして冥菜を見る
「何のことかしらね~ 私は知らないわ~」
冥菜は背筋が凍る思いだった
六道家当主を威圧出来る人間など、何年もあったことは無い
「化かし合いをする気はありません。 お願いは一つ、忠夫の周辺には手を出さないで下さい」
百合子は冥菜の言葉など聞いてない
「どういう意味かしら~?」
冥菜は顔色が悪いが、あくまでとぼける
「ご自分でお調べ下さい。 もしもお願いを聞いて頂けない場合は、徹底的に戦います」
百合子は決意を込めて冥菜を睨む
「今後関わるなというの~」
冥菜の声が微妙に震えている
「いえ、権力を行使しない、対等な仕事ならかまいません。 オカルト業界で六道家と関わらないのは不可能ですから」
百合子はあくまで冷静である
もはや話の主導権は百合子の物であった
「わかったわ~ 一つ聞いていい~?」
冥菜は即決する
六道家の利益を考えれば当然である
「なんですか?」
百合子は話がまとまり内心安堵したが、顔には出さない
「あなたの逆鱗に触れたのは誰かしら~?」
それは冥菜の興味であった
今は知る人は少ないが、村枝の紅ユリとは六道家でもケンカをしたくない
さすがに六道家なら、勝てない相手ではないが、戦えば被害が予想も出来ないのだ
そんな百合子が心底怒りを出している相手を知りたかった
「息子の忠夫と…、その嫁になったであろう女性を犠牲にした人物ですよ。 私は許しません! 小言の一つも言う前に嫁になる女性を殺されたんですから…」
百合子はそう話して帰って行った…
「もしもし~、私です~。 少し調べて欲しいの~。 そう、相手は横島忠夫、美神美智恵、美神令子よ~」
冥菜はどこかに電話をしていた
(横島君の~ 彼女ってことは……)
「美智恵ちゃんも大変な人物を敵に回したわね~。 もう終わりかしら~?」
冥菜は他人事のように呟く
美神親子は六道家と関係が深く、その実力もあり非常に貴重な人材だ
だが、文珠を使う横島とその両親と美神親子を天秤にかければ一目瞭然である
百合子が引退して18年…
百合子が現役の時、関係が深かった政財界の人物はみんな出世している
今、百合子を敵に回せば六道家でもタダでは済まない
そこまでして、美神親子を守る気は無いのだ
後日、冥菜は事の真相を知る
そして、六道家とGS協会は横島達と美神親子の争いに不干渉に徹する事が密かに決まる
横島の予想に反して、美智恵の動きは見えなかった
静かなる動きが余計に横島を警戒させていく
そんな中、横島百合子は人知れず帰国していた
「紅井百合子が来たとお伝え下さい」
百合子は馬鹿でかい門の前で、召使いらしき女性に話す
すると、百合子はすぐに中に案内された
豪華で広い応接室で、百合子はある人物を待っている
「お久しぶりね~。 百合子ちゃん~」
間延びした口調に和服を着た女性が百合子の前に現れる
「お久しぶりです。 六道さん」
百合子は冷たい笑みを浮かべて頭を下げた
百合子が会いに来たのは、六道冥菜
六道冥子の母である
「急にどうしたの~ 何年ぶりかしらね~ やっと家の会社に来てくれるの~?」
この二人が合うのは約20年ぶりである
その昔、百合子は独身の時に六道家にスカウトされていた
だが、百合子は断ったのだ
「いえ、今日は息子のことで来ました」
百合子は淡々と話すが、冥菜は一瞬ピクリと止まる
「そう言えば、百合子ちゃん結婚したのよね~ 相手は確か…」
冥菜は何事も無かったように、再び相変わらずの口調で話し出していた
「横島大樹です。 息子は横島忠夫…、随分こちらにお世話になったらしいですわね」
百合子は殺気と威圧感を露わにして冥菜を見る
「何のことかしらね~ 私は知らないわ~」
冥菜は背筋が凍る思いだった
六道家当主を威圧出来る人間など、何年もあったことは無い
「化かし合いをする気はありません。 お願いは一つ、忠夫の周辺には手を出さないで下さい」
百合子は冥菜の言葉など聞いてない
「どういう意味かしら~?」
冥菜は顔色が悪いが、あくまでとぼける
「ご自分でお調べ下さい。 もしもお願いを聞いて頂けない場合は、徹底的に戦います」
百合子は決意を込めて冥菜を睨む
「今後関わるなというの~」
冥菜の声が微妙に震えている
「いえ、権力を行使しない、対等な仕事ならかまいません。 オカルト業界で六道家と関わらないのは不可能ですから」
百合子はあくまで冷静である
もはや話の主導権は百合子の物であった
「わかったわ~ 一つ聞いていい~?」
冥菜は即決する
六道家の利益を考えれば当然である
「なんですか?」
百合子は話がまとまり内心安堵したが、顔には出さない
「あなたの逆鱗に触れたのは誰かしら~?」
それは冥菜の興味であった
今は知る人は少ないが、村枝の紅ユリとは六道家でもケンカをしたくない
さすがに六道家なら、勝てない相手ではないが、戦えば被害が予想も出来ないのだ
そんな百合子が心底怒りを出している相手を知りたかった
「息子の忠夫と…、その嫁になったであろう女性を犠牲にした人物ですよ。 私は許しません! 小言の一つも言う前に嫁になる女性を殺されたんですから…」
百合子はそう話して帰って行った…
「もしもし~、私です~。 少し調べて欲しいの~。 そう、相手は横島忠夫、美神美智恵、美神令子よ~」
冥菜はどこかに電話をしていた
(横島君の~ 彼女ってことは……)
「美智恵ちゃんも大変な人物を敵に回したわね~。 もう終わりかしら~?」
冥菜は他人事のように呟く
美神親子は六道家と関係が深く、その実力もあり非常に貴重な人材だ
だが、文珠を使う横島とその両親と美神親子を天秤にかければ一目瞭然である
百合子が引退して18年…
百合子が現役の時、関係が深かった政財界の人物はみんな出世している
今、百合子を敵に回せば六道家でもタダでは済まない
そこまでして、美神親子を守る気は無いのだ
後日、冥菜は事の真相を知る
そして、六道家とGS協会は横島達と美神親子の争いに不干渉に徹する事が密かに決まる