新しき絆
横島は相変わらず週に1日はバイトに来ていたが…
1月に入ってからは事務所に居る間は常にシロやタマモと一緒で、令子とは必要以外は話もしなくなっている
横島自身は相変わらず役立たずなふりをしていたが、シロやタマモが常に横島を庇うように側にいて、出来るだけ令子と横島が関わらないようにしていたのだ
令子は理由をつけて横島をシバき倒そうとするが、シロとタマモが完全に横島の味方をする為に出来ない
結果、令子のストレスは更に溜まり、おキヌはオロオロするばかりで
最早事務所は最悪の雰囲気になっていた
影で動いていたのはタマモだ
シロと連携して、横島を守ろうとしたのだ
今のシロとタマモには魔鈴が居る
最悪追い出されたら、魔鈴の家に引っ越せばいい
自分達には暴力は振るわないと知っているタマモが、横島を守っていた
無論その行動は危険もある
令子やおキヌは、自分より横島と仲がいい二人を、よく思わなくなってきている
だが…、さすがの令子も精神的な駆け引きでは、妖狐であるタマモには勝てない
タマモが上手く引き際を読み逃げてかわしていたのだ
美神事務所の人間関係は崩壊の瀬戸際に瀕している
そんな危機的状況だが、肝心の美智恵はその事実を知らない
令子が美智恵に横島の話をしないのだ
横島の生死でさえ自分の自由に出来ると、本気で考えてる令子は、何かとの口出しをする美智恵に横島の話をするのを避けていた
事態は完全に美神親子に不利な状況になっている
そして2月に入ってすぐのある日、横島達にとって一番厄介な人物がとうとう直接接触をして来た
横島のアパートを美智恵が訪問していたのだ…
「横島君、随分綺麗にしてるわね…」
美智恵は横島のアパートを見回して、意外そうに驚いている
アパートは別に横島が掃除してる訳では無い
最近は魔鈴が週に2回は掃除に来ていた為である
「学校や自動車学校もあるんで、あんまり家に居ないんすっよ。 で、用件は何すか?」
横島はあまり表情を変えずに話している
相手は美智恵だ
下手な芝居ではバレる
横島はあくまでも自然に美智恵と対面していた
「ちょっと近くに来たから寄っただけよ。 少し話もあったしね…。 単刀直入に聞くけど、卒業後のこと考えてる?」
美智恵は笑顔を崩さずに、楽に話しているが…
内心では横島を探っていた
(忙しくて様子を見てたけど、そろそろ直接確認しないとね。 今後や魔鈴さんとの関係も……)
美智恵がこの時期来たのには訳がある
横島がもしも美智恵と令子の手元から離れようとしてるなら、阻止するつもりなのだ
自分と娘の幸せの為に…
美智恵と横島が会うのは随分久しぶりだ
アシュタロス戦の後しばらくは、たまに令子の事務所で顔を合わせていたが、ここ数ヶ月は横島が事務所にあまり行かない為、顔も見てない
そして…
アシュタロス戦の後二人で会うのは初めてだった
(何か探りに来たか?)
横島は美智恵の言動に不自然さを感じている
「卒業後っすか? 一応考えてますよ。 高校卒業したら社会人になるんで…」
横島は迷ってるふりをしながら答える
さすがに何も考えてないと言うのは不自然だ
この時期に来たのは、何かしらの情報を持っているだろう
横島はそう考えていた
「そう… 悩んでるなら相談に乗るわよ。 GSの事や卒業後に令子が払う給料の事でもね」
美智恵は優しく微笑んで、頼りになるお姉さんを演じて話している
しかし…
その言葉は罠だった
横島が令子の事務所を辞めるつもりなら、言葉や態度に変化があるはず…
美智恵はそれを見極めようとしている
「本当っすか!? 給料上がるのは嬉しいっすね~ 正直期待して無かったですから! 卒業後の事は今迷ってるんすよ。 高校をマトモに行ったのは3年だけっすからね~ 自分には何が出来るのか… 何をしたいのか… わからないんです。 だから、卒業に捕らわれないで時間をかけて考えるつもりです」
横島は美智恵の言葉を喜んで、相談するように気持ちを話したふりをした
1月に入ってからは事務所に居る間は常にシロやタマモと一緒で、令子とは必要以外は話もしなくなっている
横島自身は相変わらず役立たずなふりをしていたが、シロやタマモが常に横島を庇うように側にいて、出来るだけ令子と横島が関わらないようにしていたのだ
令子は理由をつけて横島をシバき倒そうとするが、シロとタマモが完全に横島の味方をする為に出来ない
結果、令子のストレスは更に溜まり、おキヌはオロオロするばかりで
最早事務所は最悪の雰囲気になっていた
影で動いていたのはタマモだ
シロと連携して、横島を守ろうとしたのだ
今のシロとタマモには魔鈴が居る
最悪追い出されたら、魔鈴の家に引っ越せばいい
自分達には暴力は振るわないと知っているタマモが、横島を守っていた
無論その行動は危険もある
令子やおキヌは、自分より横島と仲がいい二人を、よく思わなくなってきている
だが…、さすがの令子も精神的な駆け引きでは、妖狐であるタマモには勝てない
タマモが上手く引き際を読み逃げてかわしていたのだ
美神事務所の人間関係は崩壊の瀬戸際に瀕している
そんな危機的状況だが、肝心の美智恵はその事実を知らない
令子が美智恵に横島の話をしないのだ
横島の生死でさえ自分の自由に出来ると、本気で考えてる令子は、何かとの口出しをする美智恵に横島の話をするのを避けていた
事態は完全に美神親子に不利な状況になっている
そして2月に入ってすぐのある日、横島達にとって一番厄介な人物がとうとう直接接触をして来た
横島のアパートを美智恵が訪問していたのだ…
「横島君、随分綺麗にしてるわね…」
美智恵は横島のアパートを見回して、意外そうに驚いている
アパートは別に横島が掃除してる訳では無い
最近は魔鈴が週に2回は掃除に来ていた為である
「学校や自動車学校もあるんで、あんまり家に居ないんすっよ。 で、用件は何すか?」
横島はあまり表情を変えずに話している
相手は美智恵だ
下手な芝居ではバレる
横島はあくまでも自然に美智恵と対面していた
「ちょっと近くに来たから寄っただけよ。 少し話もあったしね…。 単刀直入に聞くけど、卒業後のこと考えてる?」
美智恵は笑顔を崩さずに、楽に話しているが…
内心では横島を探っていた
(忙しくて様子を見てたけど、そろそろ直接確認しないとね。 今後や魔鈴さんとの関係も……)
美智恵がこの時期来たのには訳がある
横島がもしも美智恵と令子の手元から離れようとしてるなら、阻止するつもりなのだ
自分と娘の幸せの為に…
美智恵と横島が会うのは随分久しぶりだ
アシュタロス戦の後しばらくは、たまに令子の事務所で顔を合わせていたが、ここ数ヶ月は横島が事務所にあまり行かない為、顔も見てない
そして…
アシュタロス戦の後二人で会うのは初めてだった
(何か探りに来たか?)
横島は美智恵の言動に不自然さを感じている
「卒業後っすか? 一応考えてますよ。 高校卒業したら社会人になるんで…」
横島は迷ってるふりをしながら答える
さすがに何も考えてないと言うのは不自然だ
この時期に来たのは、何かしらの情報を持っているだろう
横島はそう考えていた
「そう… 悩んでるなら相談に乗るわよ。 GSの事や卒業後に令子が払う給料の事でもね」
美智恵は優しく微笑んで、頼りになるお姉さんを演じて話している
しかし…
その言葉は罠だった
横島が令子の事務所を辞めるつもりなら、言葉や態度に変化があるはず…
美智恵はそれを見極めようとしている
「本当っすか!? 給料上がるのは嬉しいっすね~ 正直期待して無かったですから! 卒業後の事は今迷ってるんすよ。 高校をマトモに行ったのは3年だけっすからね~ 自分には何が出来るのか… 何をしたいのか… わからないんです。 だから、卒業に捕らわれないで時間をかけて考えるつもりです」
横島は美智恵の言葉を喜んで、相談するように気持ちを話したふりをした