新しき絆

横島はパンを食べ終えると、パピリオへのプレゼントを持って妙神山に文珠で転移した


「よっ! 鬼門、相変わらず暇そうだな~」

横島はいつもの軽い口調で鬼門に話しかけた


「ここは人界最高の修行場だ。 そんなに忙しくする訳にもいかんのだ」

「ここに遊びにくるのはお前だけだよ。 横島」

右と左の鬼門もいつもの調子で横島と話した

「じゃあ、中に入らせてもらうわ。 パピリオにプレゼント持って来たからな…」

横島は少し苦笑いして中に入っていった…


そして鬼門達はまた、暇そうに空を見ていた


中に入るとパピリオがつまらなそうに掃除をしていた

「よっ! パピリオ、久しぶりだな~」

横島は笑顔でパピリオに声をかけた


「横島~!! 最近来ないから寂しかったでちゅ!!」


パピリオは横島に抱き付いて、拗ねたように文句をつけていた


「すまんな~ あんまり暇無くてな…」

横島は苦笑いしてパピリオの頭を撫でた


横島はこの一年、で3回ほどパピリオに会いに来ていた


いろいろ忙しく、なかなかここまでは来れなかったのだ


「今日はクリスマスだからな… パピリオにプレゼントを持って来たよ。」

横島は笑顔でパピリオに話して、ゲームの入ったプレゼントを渡した


「クリスマスって何でちゅか?」

パピリオはプレゼントは嬉しそうに受け取るが、クリスマスは知らなかった


「うーん… 元々はキーやんの誕生日のお祝いなんだが、今はサンタクロースっておっさんが、人間の子供にプレゼントを配るんだ… パピリオには俺からクリスマスプレゼントだ」

横島は少し考えたが、あまり詳しくは知らなかったので…

とりあえず知ってることをパピリオに説明した


「さすがは横島でちゅ! 気が利いてるでちゅね~ 同じ元ペットでもペスとは大違いでちゅ!!」

パピリオはクリスマス云々はなんとなく理解したようで、嬉しそうにプレゼントを抱えていた


そんな時、外が騒がしいのに気がついた小竜姫がやってきた

「パピリオ~ 何を騒いでるのですか? 掃除は終わりましたか?」

いつもの服装にエプロンをつけた小竜姫が、パピリオを探していた


「あら、横島さん? お久しぶりですね~」

小竜姫はパピリオと一緒の横島を見つけて、笑顔で話しかけた

横島はすぐに小竜姫に近づいて、その手を握りしめた


「小竜姫様! あなたに会うために俺はやって来ました! さっそく神様と人間の禁断の恋を……」

チャッキ!!


横島が全て話終えてセクハラする前に、小竜姫は神剣を突きつけた


「横島さん… 私に無礼を働くと仏罰を下しますよ?」

小竜姫は笑顔で神剣を引いた

「いや~ 俺と小竜姫様のいつもの挨拶じゃないっすか!」

横島は頭をかきながら、苦笑いしていた


「横島さんの場合は本当に挨拶なんですよね…」

小竜姫は嘘が無い横島に苦笑いしていた


妙神山に来る時横島は昔の横島を演じていた…


小竜姫とパピリオは嫌いでは無いし、心配をかけたく無かったのだ……


ただ妙神山に居る間はパピリオが居るので、横島は昔のように演じてもストレスでは無かった…


横島にとって、ルシオラの妹であるパピリオは、本当の妹も同じだった…


「横島が、私にプレゼントを持って来てくれたでちゅ!」

パピリオはプレゼントを嬉しそうに小竜姫に見せていた


「ああ、今日はクリスマスですからね… 私はあまり関係ありませんが、サンタクロースが人間の子供にプレゼントを配る日ですからね~」

きーやんと同じ神族だが、ブッちゃん系の小竜姫はあまり関係は無かった…

ただ、サンタクロースが居るのは知っているようだ…


小竜姫は感心したように横島を見た


「ええ… 普通は親が子供にプレゼントするんすよ。 パピリオの家族は俺ですからね。 俺がプレゼント持ってきたんですよ」

横島はパピリオの頭を撫でながら、小竜姫に話していた


「さっそく家に入って開けてみるでちゅ!!」

パピリオは横島を引っ張って、小竜姫とパピリオが住む母屋に入って行った


小竜姫も苦笑いしながら、二人に続いて入った


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