「まあ、あの人はどうでもいいわ… 問題は私とシロなのよ。 私達が横島の足枷になってるんだから…」

タマモは考えながら話した

「そうですね… やはり三人であそこを離れるのがベストな気がしますが…」

魔鈴も少し考えながら話した

「シロは人狼族の長老から美神に預けられてるわ。 他に行くなら、人狼の長老を説得しないとだめだし… 私はお尋ね者だからな～」

問題山積みの現状にタマモはため息をついていた


困った様子のタマモを見て、魔鈴は自分の考えを話し出した

「私も少し考えたんですが… 横島さんとシロちゃんとタマモちゃんの３人で、私の店で働きませんか？」

魔鈴の話にタマモは驚いて見ていた

「確かにここなら私は安心だし… シロの方も大丈夫かもしれない… でもいいの？ いいことばかりじゃないわよ？」

タマモは少し考えながら話して魔鈴に聞いた

「ええ… いいですよ。 給料も生活に困らないくらいは出せますし…」

魔鈴は笑顔でタマモに話した


「うーん… 確かに理想だわね。 危険は減るし、生活には困らない…」

タマモは真剣に考えていた

「横島さんにも先日話しました。 一緒に相談してみたらどうですか？」

魔鈴は笑顔のままタマモに話した


「わかったわ。 横島に話してみる。 やっぱり、横島が辞めるなら卒業と同時が一番だからね…」

タマモは笑顔になり話した


魔鈴はそんなタマモの様子を見てホッとしていた

いつまでも、横島やタマモやシロが令子の事務所に居るのはマズいと思っていた

あの美神令子なのだ

いつまたトラブルを起こすかわからない…

そうなれば周りの横島達が危険なのだ


魔鈴は横島やタマモ達を心から心配していた

そして、出来れば自分の店に来て欲しかった

タマモやシロは人間社会に慣れてないし…

横島は精神的に危ういのだ


そんな横島達をほっとけなかった…



タマモはしばらく魔鈴の店で世間話をして、夕方に横島のアパートに行った


アパートは無人で、横島はまだ学校から帰ってなかった


タマモはいつものように勝手に中に入って、横島を待つことにした



それからしばらくして、横島は学校から帰ってきた

横島がドアを開けるとタマモがテレビを見ていた

「おう！ 来てたねか？ タマモ」

横島はそう話すと部屋に入って、制服からいつもの服に着替えた

「うん、魔鈴さんの店の帰りに寄ったの。 そろそろ帰る頃だから待ってたわ」

「そっか～ 本当に仲良くなったな～」

横島は嬉しそうにタマモを見た


「なんか気が合うのよね～ 話してて楽しいし」

タマモは笑顔で話した

「そりゃ良かったな」

横島は笑顔でタマモを見ていた


「ねえ横島… 私、シロを誘って魔鈴の店に行こうと思ってるんだけど…」

タマモは真面目な顔で横島に話し出した

横島はタマモの話に少し考え込んでいた…

「確かに… いつまでも美神さんの事務所に居るのは得策じゃない… でも、お前は立場が難しいんだよな～」

横島は少し困ったように話した

「それはわかってるわ… でも、私が動かないと横島はずっと美神の事務所辞めれないじゃない…」

タマモは横島を心配していた

「タマモ… お前…」

横島はタマモが自分の心配をしていたのに驚いていた


「前に言ったわよね 私は横島の味方だって…」

タマモは微笑んで話した


「そうだったな…」

横島は言葉少なく微笑んだ

守っていたつもりが、いつの間にか守られていた

その事実に自然と微笑んでいた…


「私はいつでも行けるけど、シロは人狼の長老の許可がいるんでしょ？ 近いうちに私がシロと人狼の里に行ってくるわ… 横島は卒業と同時に事務所辞めればいいわ」

タマモは自分の考えを淡々と話した

「うーん…」

横島はまだ迷っていた

令子の出方がわからない

タマモの安全や魔鈴に迷惑をかけた時のことなど…

心配していた