新しき絆
部屋が沈黙に包まれた
答えは聞くまでも無かった…
今世界はある
横島は一人……
ありえなかった
天地創造を可能にする機械を開発した、魔神を相手に勝つなど……
「本来… 英雄として讃えられるのは、横島さんとその恋人のはずだった… しかし… 全ては隠蔽された。 恐らくは美神美智恵さんによって…… 言えるはずは無いわよね… 娘の命を狙った魔神から娘を守る為に、世界を危機に陥れたなんて…」
魔鈴は複雑な表情だった
「あの戦いの後、横島さんは元に戻ったわ… 彼女と出会う前の横島さんに… 誰も彼女の事は口にしないし、横島さんも言わないわ… それが現在よ」
魔鈴が話終わると……
タマモは涙を流していた
あんまりな話だった
タマモ自身も決して幸せな人生ではないが…
それでもそんな事件になど会ってはないだろう
横島の抱えるモノの大きさにタマモは頭を悩ませる…
そして、美神を嫌ってる理由を理解した……
最早誰も信じられないのだろうと…
それはタマモも同じだったから…
最近横島をよく知るまでのタマモと同じだった…
一方話した魔鈴も、何も言葉が出なかった……
よく考えたらすぐにわかったはずなのだ……
あんな事件の後、前のようになるなど有り得ない事実に…
あの時…
横島が魔鈴を助けた時……
あの深く悲しみみ満ちた瞳……
あれが全てを物語っていたのだ………
世界を救った代償を彼が全て抱えてしまった…
彼は今もあの時のままなのかもしれない……
魔鈴とタマモは今岐路にたっていた
第三者の自分が横島に何が出来る?
彼を救えるのは、失った恋人だけかもしれない…
長い沈黙が部屋を包んだ……
その日
魔鈴とタマモは悩みを抱えたまま話が終わった
そしてタマモは、深夜に部屋の窓から月を眺めていた
隣のベッドではシロが気持ち良さそうに寝ている
「馬鹿犬はいいわね… 気楽で…」
タマモはため息をついて言った
「……拙者は狼でござる……むにゃむにゃ……」
シロは寝言で反論していた
タマモはそんなシロに苦笑いして考えていた
横島の事を…
横島の過去はタマモが思っていた以上だった
そんな横島に自分は何が出来るのか…
タマモは静かに考えていた……
一方魔鈴も…
一人ワインを飲みながら考えていた
「横島さん……」
魔鈴は横島の力になりたかった
彼をほっとけなかった…
だが…
彼を救うのは難しいだろう……
恋人を代償にして残った世界で、彼は一人苦しんでいる
そんな中自分は……
魔鈴は忘れられなかった
横島の暗く悲しみに満ちた瞳を…
そして相反する優しい瞳を…
魔鈴は魔女として、好奇の目で見られてきた
その自分が、あれほど優しい瞳で見られたのは経験が無かった…
その夜、魔鈴はそのまま考えが止まらなかった…
その頃横島は…
雪之丞と修行をしていた
「いくぜ!!」
「ウォォー!!」
横島と雪之丞は激しい格闘を繰り広げていた
3時間ほど修行をした帰り道
二人は話をしていた
「今日は随分荒れてたな… 何かあったか?」
雪之丞は横島を見ないで聞いた
「2~3日前にちょっとしたことがあってな…」
横島は雪之丞に天狗との戦いを話した
「ショックだったな… 全く歯が立たなかった…」
横島は静かに話した
「そうか… 所詮俺達は人間だからな… 長い年月を生きた神魔や、天狗みたいな連中とは経験が違うよ。」
雪之丞は淡々と語った
「ああ、強さと言うより、格が違ったよ…」
横島は悔しそうに呟いた
「お前はまだ文珠があるから、使い方次第では戦えるだろ?」
雪之丞は横島を見て聞いた
「ああ、文珠を使えばな… だが、文珠は万能だからこそ、使い方が難しい… 文珠を生かす戦い方をできない… 俺はずっと逃げてばかりだったからな…」
横島は悔しそうな表情のまま答えた
「その天狗は修行してて、戦いを求めてるんだろ? 俺も行ってみようかな…」
雪之丞はふと自分も戦ってみたくなった
答えは聞くまでも無かった…
今世界はある
横島は一人……
ありえなかった
天地創造を可能にする機械を開発した、魔神を相手に勝つなど……
「本来… 英雄として讃えられるのは、横島さんとその恋人のはずだった… しかし… 全ては隠蔽された。 恐らくは美神美智恵さんによって…… 言えるはずは無いわよね… 娘の命を狙った魔神から娘を守る為に、世界を危機に陥れたなんて…」
魔鈴は複雑な表情だった
「あの戦いの後、横島さんは元に戻ったわ… 彼女と出会う前の横島さんに… 誰も彼女の事は口にしないし、横島さんも言わないわ… それが現在よ」
魔鈴が話終わると……
タマモは涙を流していた
あんまりな話だった
タマモ自身も決して幸せな人生ではないが…
それでもそんな事件になど会ってはないだろう
横島の抱えるモノの大きさにタマモは頭を悩ませる…
そして、美神を嫌ってる理由を理解した……
最早誰も信じられないのだろうと…
それはタマモも同じだったから…
最近横島をよく知るまでのタマモと同じだった…
一方話した魔鈴も、何も言葉が出なかった……
よく考えたらすぐにわかったはずなのだ……
あんな事件の後、前のようになるなど有り得ない事実に…
あの時…
横島が魔鈴を助けた時……
あの深く悲しみみ満ちた瞳……
あれが全てを物語っていたのだ………
世界を救った代償を彼が全て抱えてしまった…
彼は今もあの時のままなのかもしれない……
魔鈴とタマモは今岐路にたっていた
第三者の自分が横島に何が出来る?
彼を救えるのは、失った恋人だけかもしれない…
長い沈黙が部屋を包んだ……
その日
魔鈴とタマモは悩みを抱えたまま話が終わった
そしてタマモは、深夜に部屋の窓から月を眺めていた
隣のベッドではシロが気持ち良さそうに寝ている
「馬鹿犬はいいわね… 気楽で…」
タマモはため息をついて言った
「……拙者は狼でござる……むにゃむにゃ……」
シロは寝言で反論していた
タマモはそんなシロに苦笑いして考えていた
横島の事を…
横島の過去はタマモが思っていた以上だった
そんな横島に自分は何が出来るのか…
タマモは静かに考えていた……
一方魔鈴も…
一人ワインを飲みながら考えていた
「横島さん……」
魔鈴は横島の力になりたかった
彼をほっとけなかった…
だが…
彼を救うのは難しいだろう……
恋人を代償にして残った世界で、彼は一人苦しんでいる
そんな中自分は……
魔鈴は忘れられなかった
横島の暗く悲しみに満ちた瞳を…
そして相反する優しい瞳を…
魔鈴は魔女として、好奇の目で見られてきた
その自分が、あれほど優しい瞳で見られたのは経験が無かった…
その夜、魔鈴はそのまま考えが止まらなかった…
その頃横島は…
雪之丞と修行をしていた
「いくぜ!!」
「ウォォー!!」
横島と雪之丞は激しい格闘を繰り広げていた
3時間ほど修行をした帰り道
二人は話をしていた
「今日は随分荒れてたな… 何かあったか?」
雪之丞は横島を見ないで聞いた
「2~3日前にちょっとしたことがあってな…」
横島は雪之丞に天狗との戦いを話した
「ショックだったな… 全く歯が立たなかった…」
横島は静かに話した
「そうか… 所詮俺達は人間だからな… 長い年月を生きた神魔や、天狗みたいな連中とは経験が違うよ。」
雪之丞は淡々と語った
「ああ、強さと言うより、格が違ったよ…」
横島は悔しそうに呟いた
「お前はまだ文珠があるから、使い方次第では戦えるだろ?」
雪之丞は横島を見て聞いた
「ああ、文珠を使えばな… だが、文珠は万能だからこそ、使い方が難しい… 文珠を生かす戦い方をできない… 俺はずっと逃げてばかりだったからな…」
横島は悔しそうな表情のまま答えた
「その天狗は修行してて、戦いを求めてるんだろ? 俺も行ってみようかな…」
雪之丞はふと自分も戦ってみたくなった