新しき絆
魔鈴はそこで恐ろしい疑問が浮かんできた……
「私も横島さんにとっては、仲間でもないのかしら……」
魔鈴は悲痛な表情で呟いた
横島は魔鈴の前でも明るく振る舞っていた…
ひどいセクハラはなくなっていたが、明るく元気な横島だった……
もしそれが演技なら……
それは自分が仲間でなく、信用されてないからなのでは…?
そう考えてしまった…
「魔鈴さんは美神とは違うわ… 私に困ったら魔鈴さんを頼れって言ってたし、魔鈴さんはいい人だって誉めてたもの…」
タマモは魔鈴の疑問をすぐに否定した
現時点で、横島の本心を一番知るのはタマモだ
前回の除霊の後、何回か直接話したのだから…
そのタマモからして、横島が魔鈴を嫌ってないのはわかっていた
「でも…… 横島は他人に対して壁を作ってる… 私やシロや魔鈴さんに対してでも…… 理由はわからないけど、何か大きな物を抱え込んでるみたい…」
タマモが考えながら話した内容に、魔鈴は安堵したが…
横島が壁を作ってるのを聞いて、また顔が曇った
横島が抱える物…?
それに心当たりがあった
彼は恋人を失っている…
魔鈴の表情を見てタマモが聞いてきた
「何か知ってるの?」
それは当然の疑問だった
今の横島は知れば知るほど不自然なのだから…
しかし、魔鈴は悩んだ
あの戦いと彼女の事を第三者の自分が話していいのか…?
横島がタマモに話さなかったのは、タマモの為に話さないのだろうから…
魔鈴の迷いに気が付いたタマモも悩む
横島が自分を守ろうとしているのは知っていた
知らない方がいいのかもしれない…
だが……
タマモは知りたかった
今の横島の危うさを感じていたのだから……
自分に何が出来るかわからないが
知らないで足手まといにはなりたくなかった
タマモは決意をして話し出した
「並みの事じゃないのはわかってるわ… あんなに馬鹿がつくほど、優しくて真っ直ぐな人間がああなるなんて…… でも、誰かが手を差し伸べないと… 横島は壊れるわよ。」
それはタマモの予感だった
いかに嘘が上手い人間でも、妖狐の自分まで騙されるほどの嘘をつくのは簡単ではない…
まして、横島は嘘が苦手なタイプだ
このままでは横島は横島でなくなってしまう……
タマモの決意した表情と真剣な話に魔鈴は考える
そして彼女なら知る権利があるのかもしれない
そう思えた
そして話し出す
決して語られることの無い、世界と愛をかけた戦いを……
「私も聞いただけだから、詳しくは知らないけど……」
魔鈴は冷めたお茶を口に含み話し出した…
主役は優しい普通の少年だった
彼は本来戦う必要は無かった
だが味方に利用されて、敵の中に送られた…
そして敵と一緒に葬り去られる扱いだった…
そんな中出会った敵の魔族
横島は冷たい味方と暖かい敵に混乱した…
そして、魔族の少女と横島は恋に落ちた……
横島は彼女の為に、戦う決意をした
混乱する世界の中…
横島は彼女との未来の為に戦った
そして二人は魔神を倒した
少年に大きすぎる犠牲を払わせて……
魔鈴は目頭が熱くなるのを感じた
自分は聞いただけだが…
悲しみが消えない…
実際に経験した横島はどれほどの悲しみだろう…
いや、悲しみなんてもんじゃないかもしれない……
「その魔神はアシュタロス… 魔界の最上級魔族よ。 彼は最後に横島さんにある選択を迫ったと言うわ…」
魔鈴の悲しみに満ちた言葉が部屋に響く
タマモは呆然として聞いていた
信じられなかった…
いや、話したのが魔鈴で無かったら信じなかっただろう…
魔鈴は震えながら次の言葉を話した
「アシュタロスはこう言ったと言うわ…『世界か恋人か好きな方を選べ…… お前達を新世界のアダムとイブにしよう…』と……」
「私も横島さんにとっては、仲間でもないのかしら……」
魔鈴は悲痛な表情で呟いた
横島は魔鈴の前でも明るく振る舞っていた…
ひどいセクハラはなくなっていたが、明るく元気な横島だった……
もしそれが演技なら……
それは自分が仲間でなく、信用されてないからなのでは…?
そう考えてしまった…
「魔鈴さんは美神とは違うわ… 私に困ったら魔鈴さんを頼れって言ってたし、魔鈴さんはいい人だって誉めてたもの…」
タマモは魔鈴の疑問をすぐに否定した
現時点で、横島の本心を一番知るのはタマモだ
前回の除霊の後、何回か直接話したのだから…
そのタマモからして、横島が魔鈴を嫌ってないのはわかっていた
「でも…… 横島は他人に対して壁を作ってる… 私やシロや魔鈴さんに対してでも…… 理由はわからないけど、何か大きな物を抱え込んでるみたい…」
タマモが考えながら話した内容に、魔鈴は安堵したが…
横島が壁を作ってるのを聞いて、また顔が曇った
横島が抱える物…?
それに心当たりがあった
彼は恋人を失っている…
魔鈴の表情を見てタマモが聞いてきた
「何か知ってるの?」
それは当然の疑問だった
今の横島は知れば知るほど不自然なのだから…
しかし、魔鈴は悩んだ
あの戦いと彼女の事を第三者の自分が話していいのか…?
横島がタマモに話さなかったのは、タマモの為に話さないのだろうから…
魔鈴の迷いに気が付いたタマモも悩む
横島が自分を守ろうとしているのは知っていた
知らない方がいいのかもしれない…
だが……
タマモは知りたかった
今の横島の危うさを感じていたのだから……
自分に何が出来るかわからないが
知らないで足手まといにはなりたくなかった
タマモは決意をして話し出した
「並みの事じゃないのはわかってるわ… あんなに馬鹿がつくほど、優しくて真っ直ぐな人間がああなるなんて…… でも、誰かが手を差し伸べないと… 横島は壊れるわよ。」
それはタマモの予感だった
いかに嘘が上手い人間でも、妖狐の自分まで騙されるほどの嘘をつくのは簡単ではない…
まして、横島は嘘が苦手なタイプだ
このままでは横島は横島でなくなってしまう……
タマモの決意した表情と真剣な話に魔鈴は考える
そして彼女なら知る権利があるのかもしれない
そう思えた
そして話し出す
決して語られることの無い、世界と愛をかけた戦いを……
「私も聞いただけだから、詳しくは知らないけど……」
魔鈴は冷めたお茶を口に含み話し出した…
主役は優しい普通の少年だった
彼は本来戦う必要は無かった
だが味方に利用されて、敵の中に送られた…
そして敵と一緒に葬り去られる扱いだった…
そんな中出会った敵の魔族
横島は冷たい味方と暖かい敵に混乱した…
そして、魔族の少女と横島は恋に落ちた……
横島は彼女の為に、戦う決意をした
混乱する世界の中…
横島は彼女との未来の為に戦った
そして二人は魔神を倒した
少年に大きすぎる犠牲を払わせて……
魔鈴は目頭が熱くなるのを感じた
自分は聞いただけだが…
悲しみが消えない…
実際に経験した横島はどれほどの悲しみだろう…
いや、悲しみなんてもんじゃないかもしれない……
「その魔神はアシュタロス… 魔界の最上級魔族よ。 彼は最後に横島さんにある選択を迫ったと言うわ…」
魔鈴の悲しみに満ちた言葉が部屋に響く
タマモは呆然として聞いていた
信じられなかった…
いや、話したのが魔鈴で無かったら信じなかっただろう…
魔鈴は震えながら次の言葉を話した
「アシュタロスはこう言ったと言うわ…『世界か恋人か好きな方を選べ…… お前達を新世界のアダムとイブにしよう…』と……」