タマモは横島の話に違和感を覚えていた

そんなことを言う人では無かったのに…

「私は魔鈴さんと一回顔合わせただけよ？」

タマモは不思議そうに横島に話した

「ああ、だから今日一緒に行こう」

横島は笑顔で話した


そしてタマモと二人で魔鈴の店に行った

「横島さんいらっしゃい」

魔鈴は笑顔で横島を迎えた

「魔鈴さん、今日はこいつと一緒に来ましたよ　こいつは妖狐のタマモ」

横島は魔鈴にタマモを紹介した

「あら、前に美神さんと一度いらしましたね？ 改めて、私は魔鈴めぐみです。 よろしくね」

魔鈴はタマモに微笑んだ


「私は金毛白面九尾のタマモよ。 よろしく…」

タマモは魔鈴の笑顔に少し照れたように話した


「じゃあ、座って下さい。 料理を作りますね」

魔鈴は機嫌良く、厨房に入っていった


「横島と仲がいいみたいね…」

タマモは厨房に入った魔鈴を見て言った

「ああ、魔鈴さんには本当に世話になってるよ。　みんなに優しいし本当にいい人だよ。」

横島は魔鈴に感謝の気持ちを込めて話した

「そうなの… 随分嬉しそうだったけどな」

タマモは少し首を傾げていた


タマモは、魔鈴が横島が来て嬉しそうだったから言ったのだが…

横島には微妙に伝わって無かった



一方魔鈴は…

横島が店に来てくれたのが嬉しかったのだった

横島は誘えば来てくれるが、自分からは店に来なかった…

そんな横島がタマモを連れて来たのが魔鈴は驚きと共に嬉しかった


横島が雪之丞意外の人と一緒にいるのを久しぶりに見たのから…


魔鈴は気が付き始めていた…

横島と令子達の関係が前とは変わっているのに…


ここ最近横島と会う回数は増えたが、横島が令子の話をすることはほとんど無かった…


あれだけ一緒にいたはずなのに…

最近はあまり行ってないのも知っていた

一人でいることが多かった横島が、今日はタマモと一緒だったのに少し安心していた…



だが…

魔鈴は気が付かなかった

横島が美神事務所に居る理由まで…



魔鈴は料理が出来ると横島とタマモの元に運んだ

「どうぞたくさん食べて下さいね」

魔鈴は横島とタマモに笑顔で話した


「いただきまーす」

横島はがっつくように料理を食べ始めた

「相変わらず、すごい食べ方ね… たくさんあるんだからゆっくり食べてよ」

タマモは呆れたように言ったが…

横島は聞いてなかった

「食事に困ってるはずはないんですけどね～」

魔鈴は苦笑いして横島を見ていた


タマモは自分も料理を食べ始めた

「あら… 本当に美味しいわ。」

タマモは驚いて食べていった

「ありがとうございます… いつでもいらして下さいね」

魔鈴は嬉しそうにタマモに話した


「ありがとう。 でも、私お金はほとんど持ってないのよ…」

タマモは少し残念そうに話した

「美神さんから給料を頂いてないのですか？」

魔鈴は不思議そうに聞いた

「美神はお金はくれないわ… 仕事は手伝わせるけどね」

タマモは疲れたように話した

魔鈴はタマモの話に、驚きと共に呆れたように聞いていた


ここで、一通り食べ終えた横島が真剣な表情になり魔鈴を見た

「魔鈴さん… タマモに関してですが… タマモは、いつまた国に狙われるかわかりません。 万が一タマモに危険が迫った時は助けてやって欲しいんですが… 魔鈴さんの家のある異界なら、隠れ住むのに最適なので… 勝手なお願いで申し訳ないですが、他に頼れる人は居ないので…… お願いします」


横島は魔鈴に深く頭を下げた


魔鈴とタマモは驚いていた

「横島さん…」

「横島…」


二人共、真剣な横島に言葉が出なかった…

そして魔鈴が口を開く

「横島さん… 頭を上げて下さい。 困った時はお互いさまですよ」

魔鈴は横島とタマモを見て微笑んだ