GS魔鈴 新しき絆・番外編ピートの決断
ピートが何を迷うのかまではわからない唐巣だったが、納得のいく型で今後を決めたらいいと思っていた
「……はい」
その後もピートは唐巣に何も言えぬままに、話を終えてしまう
吸血鬼と人間の狭間で生きる苦悩と、横島と令子の間で悩む苦悩が複雑に絡みあい、結局何も伝えられなかったのだ
そしてその日の夜になり自分が行ってもいいのかと迷う唐巣を半ば強引に連れたピートは、横島に誘われた卒業パーティーのために魔鈴の店へと来ている
少し早めに到着したピートは、次々にやって来るメンバーに内心驚きの連続だった
(事件でも無いのに、よくこれだけのメンバーが集まりましたね)
GS仲間達は元より、妖怪に神族に魔族まで居るのだ
小竜姫とワルキューレは以前に何度か面識があり、月神族の事件では共同で解決に尽力したのは横島から聞いてはいるが、それでも神族と魔族が一緒に食事するなどとは信じられない
(ヨーロッパじゃ考えられないな。 いや、それは日本も同じか)
あまりに有り得ない光景に、ピートの心は微かだが興奮状態になっていた
数百年間ずっと人と吸血鬼の狭間で悩んで来たピートの悩みなど、ここでは些細な問題に思えてしまう
規模は小さく横島個人の交遊関係ではあるが、それでもピートにとっては奇跡でも見ているような気分だった
(ある意味、世界の究極の姿がここにあるのかもしれない)
種族や地位や立場など、それぞれ抱えてるモノは多いだろう
しかし、この場所ではみんな一個人として集まっているのだ
ピートが数百年望んでも型さえ見えなかった理想が、ここにはすでに存在している
その現実にピートの心は、言い表しようがないほどの衝撃を受けていた
その後横島がGSを辞めた話などを軽くしたあとに、それぞれ食事を始めていく
いくつかのグループは出来ているが、会場の空気は普通の宴会と同じである
(これだけのメンバーが目的も無く集まる凄さを、横島さんは理解してるのかな?)
あちこちのテーブルに顔を出す横島に視線を向けたピートは、横島がどこまで理解しているのか疑問に思う
神族や魔族と交流のある人間は世界を探せば結構居るが、神魔両族と友人関係を築いているのは横島以外には有り得ない
ある意味、世界中で横島しか出来ない事と言ってもおおげさではない
しかし肝心の横島は、普通に友人を集めてホームパーティーをする感覚でしかないのだ
まあ種族の違いを意識しない横島にしか出来ない事かもしれないが……
ピートがそんな事を考えている間に、周りの話も横島の事になっていた
神魔族が居る事を聞いて驚く銀一や愛子達に、エミは横島の事やGSの裏側を語っていく
(エミさん……?)
銀一達にいろいろ話しているエミの表情は、今までピートが見た表情とは違う気がしていた
以前は他人に対して作っていた壁のようなモノが、今は無くなっており親しみやすい人に感じる
(気付く人は気が付いてるんですね。 横島さんの価値を……)
それに加えて、エミが横島の事を正確に評価していた事実にもピートは驚かされる
これも以前のエミなら決して口にしない事なのだ
「……はい」
その後もピートは唐巣に何も言えぬままに、話を終えてしまう
吸血鬼と人間の狭間で生きる苦悩と、横島と令子の間で悩む苦悩が複雑に絡みあい、結局何も伝えられなかったのだ
そしてその日の夜になり自分が行ってもいいのかと迷う唐巣を半ば強引に連れたピートは、横島に誘われた卒業パーティーのために魔鈴の店へと来ている
少し早めに到着したピートは、次々にやって来るメンバーに内心驚きの連続だった
(事件でも無いのに、よくこれだけのメンバーが集まりましたね)
GS仲間達は元より、妖怪に神族に魔族まで居るのだ
小竜姫とワルキューレは以前に何度か面識があり、月神族の事件では共同で解決に尽力したのは横島から聞いてはいるが、それでも神族と魔族が一緒に食事するなどとは信じられない
(ヨーロッパじゃ考えられないな。 いや、それは日本も同じか)
あまりに有り得ない光景に、ピートの心は微かだが興奮状態になっていた
数百年間ずっと人と吸血鬼の狭間で悩んで来たピートの悩みなど、ここでは些細な問題に思えてしまう
規模は小さく横島個人の交遊関係ではあるが、それでもピートにとっては奇跡でも見ているような気分だった
(ある意味、世界の究極の姿がここにあるのかもしれない)
種族や地位や立場など、それぞれ抱えてるモノは多いだろう
しかし、この場所ではみんな一個人として集まっているのだ
ピートが数百年望んでも型さえ見えなかった理想が、ここにはすでに存在している
その現実にピートの心は、言い表しようがないほどの衝撃を受けていた
その後横島がGSを辞めた話などを軽くしたあとに、それぞれ食事を始めていく
いくつかのグループは出来ているが、会場の空気は普通の宴会と同じである
(これだけのメンバーが目的も無く集まる凄さを、横島さんは理解してるのかな?)
あちこちのテーブルに顔を出す横島に視線を向けたピートは、横島がどこまで理解しているのか疑問に思う
神族や魔族と交流のある人間は世界を探せば結構居るが、神魔両族と友人関係を築いているのは横島以外には有り得ない
ある意味、世界中で横島しか出来ない事と言ってもおおげさではない
しかし肝心の横島は、普通に友人を集めてホームパーティーをする感覚でしかないのだ
まあ種族の違いを意識しない横島にしか出来ない事かもしれないが……
ピートがそんな事を考えている間に、周りの話も横島の事になっていた
神魔族が居る事を聞いて驚く銀一や愛子達に、エミは横島の事やGSの裏側を語っていく
(エミさん……?)
銀一達にいろいろ話しているエミの表情は、今までピートが見た表情とは違う気がしていた
以前は他人に対して作っていた壁のようなモノが、今は無くなっており親しみやすい人に感じる
(気付く人は気が付いてるんですね。 横島さんの価値を……)
それに加えて、エミが横島の事を正確に評価していた事実にもピートは驚かされる
これも以前のエミなら決して口にしない事なのだ