GS魔鈴 新しき絆・番外編ピートの決断
ピートの年末年始は忙しかった
人間は年末年始を休むが、悪霊は休んでくれない
特に唐巣の教会に助けを求める人はぎりぎりまで追い詰められてる事が多く、断れば命にかかわる人がほとんどである
通常は学生のピートに負担がかからないように出来るだけ唐巣が一人で対応しているが、流石に年末年始は忙しく二人で手分けして除霊を行っていた
それと言うのも本来弱者を救済するべきなオカルトGメンは、公共性や社会に与える影響の低い本当の弱者は事実上放置しており、時には相談者に唐巣の教会に行くように言うのだから酷い話である
年末年始は普通のGS事務所は休んでおり、そこに行くはずの依頼の一部まで唐巣に来ているのだから忙しくないはずはなかった
「ピート君すまないね。 年末年始はブラドー島に帰してやりたかったのだが……」
大晦日の夜、唐巣とピートはささやかな夕食でしばしの休息を取っている
朝から二人で20件以上除霊した唐巣とピートは、流石に疲れた様子だった
そんな二人の夕食は、以前に助けた人達が持ち寄ってくれた物である
基本的に無料で除霊する事の多い唐巣の生活は、ほとんどがこう言った以前助けた人達からの援助で成り立っていた
年末年始の時期には米や野菜から正月料理まで持って来てくれるため、いつもに比べれば贅沢な食事になっている
「僕は構いませんが、先生は大丈夫ですか? 少し顔色が悪いですが……」
「私は大丈夫だよ。 いつもの事だしね」
ピート自身も疲れが溜まっているが、唐巣はそれ以上に疲労が溜まっているようだった
心配するピートに唐巣は、いつもの事だからと笑って済ませる
しかしいつも倒れるまで無理をする唐巣に、ピートは言葉で言い表せない感情を抱いていた
(先生はもう少し自分を大事にしてくれればいいんだけど……)
自分の寿命を縮めるほど他人の為に働く唐巣をピートは尊敬しているが、同時にもう少し自分を大事にして欲しいとも思っている
ずっと人の為に頑張って来た唐巣こそが、幸せになるべきだと思うのだ
(先生の悪いところなんだろうね。 自分に厳し過ぎる)
自分に厳しく他人に優しくとは良く言うが限度がある
弟子である令子を見てもわかるように、唐巣は他人に対して甘すぎると思うのだ
優しさを越える甘さが決していい事で無い事は、長い年月を生きてきたピートはよく理解していた
「ピート君、私は大丈夫だよ」
ピートの心配を察した唐巣は、少し苦笑いを浮かべて大丈夫だと言い切る
しかし今までに何度も大丈夫だと言ってる倒れる唐巣の言葉は、全く説得力がなかった
「先生、GSって何なんでしょうね」
ボソッと呟いたピートに唐巣は複雑そうな表情を浮かべる
それは唐巣自身ずっと悩んで来た疑問の一つであり、自分の道を見つけた今でもたまに思う事があるのだ
「ピート君、それは自分で見つけるしかないのだよ。 私の答えと君の答えは違うのだからね」
唐巣の言葉を受け止めつつ、ピートの頭からは数日前の横島の表情が離れない
よくよく考えてみれば横島が令子から離れようとするなど、よほどの理由があるはずなのだ
友人だと思っていた横島の事を何も知らない自分が、無性に情けなく感じていた
人間は年末年始を休むが、悪霊は休んでくれない
特に唐巣の教会に助けを求める人はぎりぎりまで追い詰められてる事が多く、断れば命にかかわる人がほとんどである
通常は学生のピートに負担がかからないように出来るだけ唐巣が一人で対応しているが、流石に年末年始は忙しく二人で手分けして除霊を行っていた
それと言うのも本来弱者を救済するべきなオカルトGメンは、公共性や社会に与える影響の低い本当の弱者は事実上放置しており、時には相談者に唐巣の教会に行くように言うのだから酷い話である
年末年始は普通のGS事務所は休んでおり、そこに行くはずの依頼の一部まで唐巣に来ているのだから忙しくないはずはなかった
「ピート君すまないね。 年末年始はブラドー島に帰してやりたかったのだが……」
大晦日の夜、唐巣とピートはささやかな夕食でしばしの休息を取っている
朝から二人で20件以上除霊した唐巣とピートは、流石に疲れた様子だった
そんな二人の夕食は、以前に助けた人達が持ち寄ってくれた物である
基本的に無料で除霊する事の多い唐巣の生活は、ほとんどがこう言った以前助けた人達からの援助で成り立っていた
年末年始の時期には米や野菜から正月料理まで持って来てくれるため、いつもに比べれば贅沢な食事になっている
「僕は構いませんが、先生は大丈夫ですか? 少し顔色が悪いですが……」
「私は大丈夫だよ。 いつもの事だしね」
ピート自身も疲れが溜まっているが、唐巣はそれ以上に疲労が溜まっているようだった
心配するピートに唐巣は、いつもの事だからと笑って済ませる
しかしいつも倒れるまで無理をする唐巣に、ピートは言葉で言い表せない感情を抱いていた
(先生はもう少し自分を大事にしてくれればいいんだけど……)
自分の寿命を縮めるほど他人の為に働く唐巣をピートは尊敬しているが、同時にもう少し自分を大事にして欲しいとも思っている
ずっと人の為に頑張って来た唐巣こそが、幸せになるべきだと思うのだ
(先生の悪いところなんだろうね。 自分に厳し過ぎる)
自分に厳しく他人に優しくとは良く言うが限度がある
弟子である令子を見てもわかるように、唐巣は他人に対して甘すぎると思うのだ
優しさを越える甘さが決していい事で無い事は、長い年月を生きてきたピートはよく理解していた
「ピート君、私は大丈夫だよ」
ピートの心配を察した唐巣は、少し苦笑いを浮かべて大丈夫だと言い切る
しかし今までに何度も大丈夫だと言ってる倒れる唐巣の言葉は、全く説得力がなかった
「先生、GSって何なんでしょうね」
ボソッと呟いたピートに唐巣は複雑そうな表情を浮かべる
それは唐巣自身ずっと悩んで来た疑問の一つであり、自分の道を見つけた今でもたまに思う事があるのだ
「ピート君、それは自分で見つけるしかないのだよ。 私の答えと君の答えは違うのだからね」
唐巣の言葉を受け止めつつ、ピートの頭からは数日前の横島の表情が離れない
よくよく考えてみれば横島が令子から離れようとするなど、よほどの理由があるはずなのだ
友人だと思っていた横島の事を何も知らない自分が、無性に情けなく感じていた