新しき絆・2
「あなただけが世界を敵に回して子供を守る訳じゃないわ。 私達も同じよ。 何があろうと守るわ」
射抜くような強い眼差しを向ける百合子に美智恵は言葉が出ない
(本気なのね…)
百合子の強い決意を美智恵は瞬時に感じた
かつて自分も全てを犠牲にしても娘を守ると誓った美智恵には、百合子の親としての決意が誰よりも理解出来る
「私は何があってもあなただけは許さないわ。 息子と… 命を賭けて息子を愛してくれた彼女のためにも… あなたなら彼女を救えたはずよね?」
バチバチと火花がちりそうなほどの殺気が美智恵に降り注ぐ
その凄まじい殺気と威圧感に美智恵は完全に受け身になってしまう
「ルシ…オラ…」
その時美智恵には、百合子に一瞬ルシオラの姿が重なってみえた気がした
まるで横島と百合子を守るように睨むルシオラの幻を見てしまう
「あああ……」
美智恵は震えながら何かを言おうとするが言葉にならない
(あなたなのね、ルシオラ… 令子と横島君の邪魔をしたのは…)
この時、美智恵は今までいくら考えてもわからなかった
令子と横島を引き離した存在を悟る
だが、彼女はやはり美神美智恵だ
そもそもの原因が自分の育て方が悪かったこと
アシュタロス戦において、誰も信じず1人で令子を守ろうとした結果だと言うことを理解してない
「私は、何があっても娘を守るわ」
小さくつぶやいた美智恵は、その瞳に力が戻っていく
強く睨む母親としての百合子の存在が、皮肉にも美智恵に力を呼び戻していた
自分もこの程度の苦難など負けない
負けられない2人の母親は互いに無言で睨み合う
「美智恵の旦那、そこまでだ。 やるんなら俺が相手になるぜ」
美智恵と百合子の2人の睨み合いを止めたのは雪之丞である
雪之丞は美智恵の体から霊力が高まっていくのを感じて2人の間に割って入った
「俺もいるぞ」
後ろからは大樹が拳を握りしめ美智恵を睨む
一触即発の中、美智恵はこの後の事を考えていた
(どうする… 雪之丞君と素人2人なら勝てるけど…)
戦って負けるはずは無いが、問題は戦った後だ
アシュタロス戦の真実を公開されたら全ておしまいなのだから…
(いっそ過去か未来に…)
美智恵はそう考えながらそっと懐に手を入れようとしたが
「動くな! 動けばあんたを消す!」
雪之丞の言葉に美智恵が手を止めて睨むと、雪之丞の手には美智恵が懐から取り出そうと思っていたのと同じ文珠がある
しかもすでに【滅】の文字も込めてあった
「何をしようとしたのか知らないが、懐に手を入れたらこれであんたを消す!」
(マズいわね。 文珠まで持ってたなんて… ただの戦闘狂だと思ったのに…)
睨む雪之丞を見て、美智恵は内心舌打ちをする
戦うことが好きなだけの雪之丞など、いくらでもあしらえると思っていた美智恵は明らかに計算違いであった
周りでは通勤通学の人が行き交う中、その場所だけは別世界のように静まり返っていた
射抜くような強い眼差しを向ける百合子に美智恵は言葉が出ない
(本気なのね…)
百合子の強い決意を美智恵は瞬時に感じた
かつて自分も全てを犠牲にしても娘を守ると誓った美智恵には、百合子の親としての決意が誰よりも理解出来る
「私は何があってもあなただけは許さないわ。 息子と… 命を賭けて息子を愛してくれた彼女のためにも… あなたなら彼女を救えたはずよね?」
バチバチと火花がちりそうなほどの殺気が美智恵に降り注ぐ
その凄まじい殺気と威圧感に美智恵は完全に受け身になってしまう
「ルシ…オラ…」
その時美智恵には、百合子に一瞬ルシオラの姿が重なってみえた気がした
まるで横島と百合子を守るように睨むルシオラの幻を見てしまう
「あああ……」
美智恵は震えながら何かを言おうとするが言葉にならない
(あなたなのね、ルシオラ… 令子と横島君の邪魔をしたのは…)
この時、美智恵は今までいくら考えてもわからなかった
令子と横島を引き離した存在を悟る
だが、彼女はやはり美神美智恵だ
そもそもの原因が自分の育て方が悪かったこと
アシュタロス戦において、誰も信じず1人で令子を守ろうとした結果だと言うことを理解してない
「私は、何があっても娘を守るわ」
小さくつぶやいた美智恵は、その瞳に力が戻っていく
強く睨む母親としての百合子の存在が、皮肉にも美智恵に力を呼び戻していた
自分もこの程度の苦難など負けない
負けられない2人の母親は互いに無言で睨み合う
「美智恵の旦那、そこまでだ。 やるんなら俺が相手になるぜ」
美智恵と百合子の2人の睨み合いを止めたのは雪之丞である
雪之丞は美智恵の体から霊力が高まっていくのを感じて2人の間に割って入った
「俺もいるぞ」
後ろからは大樹が拳を握りしめ美智恵を睨む
一触即発の中、美智恵はこの後の事を考えていた
(どうする… 雪之丞君と素人2人なら勝てるけど…)
戦って負けるはずは無いが、問題は戦った後だ
アシュタロス戦の真実を公開されたら全ておしまいなのだから…
(いっそ過去か未来に…)
美智恵はそう考えながらそっと懐に手を入れようとしたが
「動くな! 動けばあんたを消す!」
雪之丞の言葉に美智恵が手を止めて睨むと、雪之丞の手には美智恵が懐から取り出そうと思っていたのと同じ文珠がある
しかもすでに【滅】の文字も込めてあった
「何をしようとしたのか知らないが、懐に手を入れたらこれであんたを消す!」
(マズいわね。 文珠まで持ってたなんて… ただの戦闘狂だと思ったのに…)
睨む雪之丞を見て、美智恵は内心舌打ちをする
戦うことが好きなだけの雪之丞など、いくらでもあしらえると思っていた美智恵は明らかに計算違いであった
周りでは通勤通学の人が行き交う中、その場所だけは別世界のように静まり返っていた