新しき絆・2
百合子の怒鳴り声に魔鈴は我に返り、震える手で受話器を持ち上げた
『はい…、すいませんでした』
顔色を真っ青にした魔鈴は、気力を振り絞り百合子に謝る
『落ち着いた? あなたが待ってる限り忠夫は必ず帰ってくるわ』
百合子は魔鈴を落ち着かせなだめるように話していた
『私、空港に行きます! 待ってるだけなんて…、少しでも近くに!!』
魔鈴はそう言い放つと、電話を切り飛び出して行ってしまう
電話の向こうでは百合子が苦笑いを浮かべていた
「彼女行ったわ」
その言葉に大樹は少し笑みを浮かべる
「若いな~ まあ落ち込むよりは、勇気を出して前に進んだ方が俺は好きだがな…」
大樹はすぐに飛び出した魔鈴を好意的に感じていた
ただ待っているより、自分から進んで動く
大樹自身そんな人であるし、同じような行動的な魔鈴を気に入ったようだ
百合子は魔鈴のフォローを頼む為、空港にいる雪之丞に連絡を入れて、自分達も空港に向かう
その頃…
令子は無事に地上に降りて、静岡の辺りで西条からの電話を受けていた
『もしもし、西条さん?』
令子は地上に降りたらすぐに今回の裏工作に向かおうとしていた
自分が除霊をしようとしたこと
そして横島やおキヌが飛行機に乗らなかったことを、事実にしなければならないのだ
しかし、そんな時にかかって来た西条の電話に令子は怒りを露わにした
『あの馬鹿! 死ぬつもり!?』
横島が悪霊を退治したことや、飛行機を地上に降ろそうとしている話を聞いて怒り狂っている
『現状はかなり厳しいようだ。 関係者の大半は諦めているらしい』
西条は自分が去った後の管制塔の様子も美智恵に聞いていたようだ
『横島もおキヌちゃんも何でわからないの! 自分の命を捨てるつもり!?』
令子はやり場の無い怒りを西条にぶつける
『令子ちゃん落ち着いて! とりあえず迎えに行くから、近くに行ったらまた連絡する』
西条はそう言って電話を切り、車のスピードを上げる
「あのバカ…」
電話を切った令子は先ほどとは違い複雑な表情をして、無言で飛行機の方角を見つめている
他人や無関係な人には興味は無いが、令子は令子なりに横島やおキヌのことを心配していたのだ
いかに自分勝手なワガママや、都合がいいことだけを押し付けようと
令子自身は心の底では横島を求めていた
意地を張る相手も、今は周りに誰も居ない
そんな時、横島が本当に死ぬかもしれない
そう考えたら、令子は少しだけ自分に素直になっていた
「後で覚えてらっしゃいよ。 勝手な行動をしたこと後悔させてやるわ!」
令子は飛行機の中の横島に向けて小さく呟く
それは後悔させるから必ず戻って来い
そんな令子の願いのこもった言葉だった
しかし…
自分の願う未来が来ることが無いのを令子は知らない
令子が求めた横島は、もうずっと前から居なかった事実を…
彼女は後になって知ることになる
『はい…、すいませんでした』
顔色を真っ青にした魔鈴は、気力を振り絞り百合子に謝る
『落ち着いた? あなたが待ってる限り忠夫は必ず帰ってくるわ』
百合子は魔鈴を落ち着かせなだめるように話していた
『私、空港に行きます! 待ってるだけなんて…、少しでも近くに!!』
魔鈴はそう言い放つと、電話を切り飛び出して行ってしまう
電話の向こうでは百合子が苦笑いを浮かべていた
「彼女行ったわ」
その言葉に大樹は少し笑みを浮かべる
「若いな~ まあ落ち込むよりは、勇気を出して前に進んだ方が俺は好きだがな…」
大樹はすぐに飛び出した魔鈴を好意的に感じていた
ただ待っているより、自分から進んで動く
大樹自身そんな人であるし、同じような行動的な魔鈴を気に入ったようだ
百合子は魔鈴のフォローを頼む為、空港にいる雪之丞に連絡を入れて、自分達も空港に向かう
その頃…
令子は無事に地上に降りて、静岡の辺りで西条からの電話を受けていた
『もしもし、西条さん?』
令子は地上に降りたらすぐに今回の裏工作に向かおうとしていた
自分が除霊をしようとしたこと
そして横島やおキヌが飛行機に乗らなかったことを、事実にしなければならないのだ
しかし、そんな時にかかって来た西条の電話に令子は怒りを露わにした
『あの馬鹿! 死ぬつもり!?』
横島が悪霊を退治したことや、飛行機を地上に降ろそうとしている話を聞いて怒り狂っている
『現状はかなり厳しいようだ。 関係者の大半は諦めているらしい』
西条は自分が去った後の管制塔の様子も美智恵に聞いていたようだ
『横島もおキヌちゃんも何でわからないの! 自分の命を捨てるつもり!?』
令子はやり場の無い怒りを西条にぶつける
『令子ちゃん落ち着いて! とりあえず迎えに行くから、近くに行ったらまた連絡する』
西条はそう言って電話を切り、車のスピードを上げる
「あのバカ…」
電話を切った令子は先ほどとは違い複雑な表情をして、無言で飛行機の方角を見つめている
他人や無関係な人には興味は無いが、令子は令子なりに横島やおキヌのことを心配していたのだ
いかに自分勝手なワガママや、都合がいいことだけを押し付けようと
令子自身は心の底では横島を求めていた
意地を張る相手も、今は周りに誰も居ない
そんな時、横島が本当に死ぬかもしれない
そう考えたら、令子は少しだけ自分に素直になっていた
「後で覚えてらっしゃいよ。 勝手な行動をしたこと後悔させてやるわ!」
令子は飛行機の中の横島に向けて小さく呟く
それは後悔させるから必ず戻って来い
そんな令子の願いのこもった言葉だった
しかし…
自分の願う未来が来ることが無いのを令子は知らない
令子が求めた横島は、もうずっと前から居なかった事実を…
彼女は後になって知ることになる