新しき絆・2
わずかな休息の後、横島は無線を装着して操縦席に座る
『ハネダ・エアーポートよりGAG202便へ 横島君と言ったな。 君に着陸作業をしてもらう。 時間が無いから説明しながら操縦してもらうことになる。 君は落ち着いてこちらの指示に従えばいい』
管制塔では渡辺管制官が直接交信していた
周りには先ほどまで居なかった熟練パイロットが数名呼ばれ、管制塔から横島に操縦方法の指示を出すことになっている
空港にたくさん居た乗客やマスコミなどの一般人は、すでに避難を開始しており
加えて空港周り3キロに渡り避難指示が出されていた
当局は避難の理由を原因不明の飛行機の故障だと発表しており、万が一の為の避難だと説明している
それは嘘では無いが本当でも無い情報で、着陸に失敗した時の責任問題にならないような発表であった
次に横島達の乗る飛行機だが、すでに神奈川県に入っておりあまり時間が無い
元々近場の国内線な為、燃料もさほど多くないのだ
横島はぶっつけ本番で着陸作業に入ることになる
『GAG202便、了解しました』
横島は無線に返事をすると、文珠を4個出して精神を集中する
【操】【縦】【知】【識】
霊力をコントロールして4つの文珠を使う
「うっ……」
まるで力が抜けていくようであった
横島がこれまで同時に使ったのは、3個までである
4個同時使用など初体験なのだ
横島の後ろではタマモとシロと銀一とおキヌが、祈るような気持ちで見守っている
(俺は生きて帰るんだ…)
横島は一瞬後ろのタマモ達を見た
そして自分を愛してくれた魔鈴とルシオラを想い気合いを入れる
『GAG202便、ではまず自動操縦から手動に切り替える。 いいか! 焦らずに指示通りにやればいいだけだ!』
渡辺管制官は気合いの入った口調で横島を勇気づけようとする
『大丈夫ですよ。 指示をお願いします』
横島は文珠をコントロールしながら冷静に答えた
そんな横島の後ろでは、タマモが密かに横島からもらっていた文珠を手に握り締めている
文字は【転】【移】
そう…、最悪の場合タマモがギリギリで横島やシロ達を連れて無理矢理脱出するつもりなのだ
タマモはもちろん横島を信じている
だが、どんな時も絶対など有り得ない
たとえ後で横島に恨まれても、絶対にここで横島を死なせるつもりは無いのだ
(あなたは生きなくてはダメなのよ。 魔鈴さんやルシオラさんの為に…)
魔鈴や横島の幸せ
それがタマモの望むもの
自分を受け入れ幸せを与えてくれた仲間への、タマモなりの戦いなのだ
息をするのを忘れるくらいの緊張感の中、横島は一つ一つ指示に従っていく
コックピットの破壊された場所は幸いメーター類が中心である
横島は文珠から来る知識と技術を信じて慎重に飛行機を操縦していく
そしてその頃
魔鈴の元に百合子から連絡が来る
『テレビ見てる? 今騒いでる飛行機に忠夫達が乗ってるわ。 どうやら悪霊による事故らしいの』
その電話に魔鈴は気が遠くなるようだった
魔鈴は受話器を落として呆然とする
『しっかりしなさい!! 忠夫は絶対に帰ってくるわ! あなたは笑顔で迎えるのよ!!』
落ちた受話器から百合子の怒鳴り声が魔鈴の家に響いた
『ハネダ・エアーポートよりGAG202便へ 横島君と言ったな。 君に着陸作業をしてもらう。 時間が無いから説明しながら操縦してもらうことになる。 君は落ち着いてこちらの指示に従えばいい』
管制塔では渡辺管制官が直接交信していた
周りには先ほどまで居なかった熟練パイロットが数名呼ばれ、管制塔から横島に操縦方法の指示を出すことになっている
空港にたくさん居た乗客やマスコミなどの一般人は、すでに避難を開始しており
加えて空港周り3キロに渡り避難指示が出されていた
当局は避難の理由を原因不明の飛行機の故障だと発表しており、万が一の為の避難だと説明している
それは嘘では無いが本当でも無い情報で、着陸に失敗した時の責任問題にならないような発表であった
次に横島達の乗る飛行機だが、すでに神奈川県に入っておりあまり時間が無い
元々近場の国内線な為、燃料もさほど多くないのだ
横島はぶっつけ本番で着陸作業に入ることになる
『GAG202便、了解しました』
横島は無線に返事をすると、文珠を4個出して精神を集中する
【操】【縦】【知】【識】
霊力をコントロールして4つの文珠を使う
「うっ……」
まるで力が抜けていくようであった
横島がこれまで同時に使ったのは、3個までである
4個同時使用など初体験なのだ
横島の後ろではタマモとシロと銀一とおキヌが、祈るような気持ちで見守っている
(俺は生きて帰るんだ…)
横島は一瞬後ろのタマモ達を見た
そして自分を愛してくれた魔鈴とルシオラを想い気合いを入れる
『GAG202便、ではまず自動操縦から手動に切り替える。 いいか! 焦らずに指示通りにやればいいだけだ!』
渡辺管制官は気合いの入った口調で横島を勇気づけようとする
『大丈夫ですよ。 指示をお願いします』
横島は文珠をコントロールしながら冷静に答えた
そんな横島の後ろでは、タマモが密かに横島からもらっていた文珠を手に握り締めている
文字は【転】【移】
そう…、最悪の場合タマモがギリギリで横島やシロ達を連れて無理矢理脱出するつもりなのだ
タマモはもちろん横島を信じている
だが、どんな時も絶対など有り得ない
たとえ後で横島に恨まれても、絶対にここで横島を死なせるつもりは無いのだ
(あなたは生きなくてはダメなのよ。 魔鈴さんやルシオラさんの為に…)
魔鈴や横島の幸せ
それがタマモの望むもの
自分を受け入れ幸せを与えてくれた仲間への、タマモなりの戦いなのだ
息をするのを忘れるくらいの緊張感の中、横島は一つ一つ指示に従っていく
コックピットの破壊された場所は幸いメーター類が中心である
横島は文珠から来る知識と技術を信じて慎重に飛行機を操縦していく
そしてその頃
魔鈴の元に百合子から連絡が来る
『テレビ見てる? 今騒いでる飛行機に忠夫達が乗ってるわ。 どうやら悪霊による事故らしいの』
その電話に魔鈴は気が遠くなるようだった
魔鈴は受話器を落として呆然とする
『しっかりしなさい!! 忠夫は絶対に帰ってくるわ! あなたは笑顔で迎えるのよ!!』
落ちた受話器から百合子の怒鳴り声が魔鈴の家に響いた