新しき絆・2

「お待たせしました~」

店員が横島達にうどんを運んで来る


横島とタマモはきつねうどん

シロは肉うどんなどを、みんな食べ始める


「関西風のうどんもいいわね」

タマモはダシの染みったらお揚げを食べ幸せそうに微笑む


「懐かしいな~ 小さい頃はずっとこの味だったからな」

横島は懐かしい関西風のうどんに笑みがこぼれる


「そやな~ 昔はよう一緒に食べたな~」

銀一も昔を懐かしみうどんを食べる


シロは喜んで、肉うどんを頬張りさっそくおかわりをした


「もう無くなったわ……」

タマモは大好きなお揚げを先に食べてしまい、寂しそうにうどんを見る


「ほれ」

横島は、無くなったお揚げを愛おしそうに見るタマモに、自分のお揚げを入れる


「ありがとう!」

タマモはまた嬉しそうにうどんを食べ始める


横島とタマモがうどん屋に来ればよくある光景である

シロと違い、うどんを2杯も食べれないタマモ

馴染みの店なら、お揚げを増やして注文するが、初めての店などでは言いにくい

そんな時は横島がタマモにお揚げをあげていた


そんな何気ない光景にホッとしていたのは銀一である

令子やおキヌとの微妙な関係の後だけに、横島らしいその姿を見て安心していた


食事を終えた横島達は、令子達と合流して姫路城天守の辺りで悪霊が現れるのを待つ


計画としては令子が1人天守閣に登り、悪霊が現れたら戦う予定で

横島とタマモとシロは銀一とマネージャーの護衛で、おキヌは特にやることは無い


まあ、当然のように令子は1人目立ち、いいとこを見せる予定だ


そもそも、この仕事自体は比較的楽な割には、派手で見栄えのいい仕事なのである

悪霊は出るものの、強さも普通で一体のみだし

しかも、世界遺産を守ると言う点で、派手で見栄えがいい


まさに令子が自分をよく見せようとして選んだ仕事である



「緊張するな~」

銀一は少し離れた安全な場所から見てるが、初体験の除霊にドキドキしていた


「相手は忍者の幽霊らしい。 意識レベルは低く説得は不可能だな…」

横島は依頼書を見て銀一に説明する


「危険な相手なんか?」

忍者の幽霊と聞き、銀一は興味深げに横島に聞く


「いや、強さとしてはそれほどでもないな… だけど油断は出来ないから、幽霊が現れても動かないでくれ」

横島の言葉に銀一は頷き、幽霊が現れるのを待つ


それから3時間ほどたった

辺りは完全に夜になり、姫路城は綺麗にライトアップされている


「横島、来るわ!」

最初に感じたのはやはりタマモだ


「銀ちゃん、現れるぞ!」

銀一は、緊張気味にビデオカメラを回す


タタタタタ…


どこからともなく、城の屋根瓦を走る音がする


「どんな死に方して、何がきっかけで現れるのか知らないけどさあ… この城は今世界遺産なのよね。 夜な夜なカワラぶち壊しながら走りまわるのやめてくれない?」

令子は幽霊を感じたらすぐに城の屋根な登っていた

神通棍に霊力を込めて、忍者の幽霊と対峙する


「シャアアアア!!」

忍者は敵意むき出しで令子に襲いかかる!


16/64ページ
スキ