新しき絆・2
横島は携帯を見つめ、少し考え込む
(魔鈴さん…)
魔鈴に危機が迫るかもしれないのに、自分は側に居れない
横島は例えようの無い悔しさがこみ上げてくる
しかし、この日の横島はまだ冷静であった
先日のように魔鈴を失う恐怖に捕らわれてはいない
その理由は、雪之丞の存在にある
この数ヶ月共に修行をして来た、雪之丞の実力を誰よりも信頼していた
「横島…」
横島は名前を呼ばれて、驚き振り向くとタマモが居る
「時が来たのね…」
タマモは横島の緊張感漂う表情に、事態が緊迫して来たを悟っていた
「ああ、魔鈴さんには雪之丞が護衛に付く。 お前らは、俺から離れるなよ」
横島は険しい表情のままタマモに語りかける
「横島、こんな時こそ落ち着いてね… あなたには魔鈴さんや私やシロが付いてるわ。 それに、雪之丞もね」
タマモは横島を心配して優しく微笑む
「タマモ… ありがとうな」
横島はタマモの優しさに、心を落ち着かせる
(これじゃ、どっちが守ってるかわからんな…)
横島は、いつの間にか守られている自分に、思わず苦笑いが出る
「横島クン! 早く荷物を運びなさい!」
令子は離れた場所で、タマモと内緒で話す横島を怒鳴りつけた
「さて…、行くか?」
「ええ…」
横島とタマモは、普段の笑顔に戻って令子達の元に戻って行く
そして、もう一人
おキヌは銀一と話をしながらも、そんな横島とタマモを見つめていた
(横島さん… いつの間にあんな表情をするようになったの…?)
怒り狂い冷静さを欠く令子と違い
おキヌは自然と横島を目で追いかけていた
前なら気のせいで済ませていた横島の変化
現実を突きつけられてから見る横島とタマモの様子は、本当に遠い存在だと確信する
それに、その中に垣間見えた険しい表情の横島
おキヌは今まで見ようとしなかった現実を知るも…
結局、見ていることしか出来ない
その頃、美神事務所に美智恵が到着していた
「人工幽霊、令子達は?」
美智恵は無人の事務所に入り、内心舌打ちをする
「本日は、事務所の皆さん総出で姫路城に除霊に向かいました」
人工幽霊の声が静に室内に響く
「総出? 横島君やタマモ達も?」
「はい、本日は全員で向かわれました」
美智恵は、珍しくフルメンバーで除霊に向かったのを知り、タイミングの悪さに拳を握りしめる
(ちっ! 肝心な時に居ないんだから…)
美智恵は内心イラつきながらも、表情に出さずに少し考える
「人工幽霊、ここ半年の横島君が居る時の事務所の様子を見せなさい」
美智恵は予定とは違うが、居ないなら居ないでやるべきことを考えた
せっかくだから事務所の人間関係と、横島とタマモの関係を洗い直そうと決める
「しかし… オーナーの許可無く見せるのは…」
人工幽霊は対応に苦慮する
令子は常々、美智恵の口出しや監視を愚痴っている
その美智恵に、事務所の様子を無断で見せていいか判断が出来ない
「私は令子の母親です! 責任は私がとります。 いいから見せなさい!」
美智恵は渋る人工幽霊にキツい口調で命令する
「かしこまりました」
人工幽霊は美智恵の押しに負けて、過去の記憶を見せ始めた
(魔鈴さん…)
魔鈴に危機が迫るかもしれないのに、自分は側に居れない
横島は例えようの無い悔しさがこみ上げてくる
しかし、この日の横島はまだ冷静であった
先日のように魔鈴を失う恐怖に捕らわれてはいない
その理由は、雪之丞の存在にある
この数ヶ月共に修行をして来た、雪之丞の実力を誰よりも信頼していた
「横島…」
横島は名前を呼ばれて、驚き振り向くとタマモが居る
「時が来たのね…」
タマモは横島の緊張感漂う表情に、事態が緊迫して来たを悟っていた
「ああ、魔鈴さんには雪之丞が護衛に付く。 お前らは、俺から離れるなよ」
横島は険しい表情のままタマモに語りかける
「横島、こんな時こそ落ち着いてね… あなたには魔鈴さんや私やシロが付いてるわ。 それに、雪之丞もね」
タマモは横島を心配して優しく微笑む
「タマモ… ありがとうな」
横島はタマモの優しさに、心を落ち着かせる
(これじゃ、どっちが守ってるかわからんな…)
横島は、いつの間にか守られている自分に、思わず苦笑いが出る
「横島クン! 早く荷物を運びなさい!」
令子は離れた場所で、タマモと内緒で話す横島を怒鳴りつけた
「さて…、行くか?」
「ええ…」
横島とタマモは、普段の笑顔に戻って令子達の元に戻って行く
そして、もう一人
おキヌは銀一と話をしながらも、そんな横島とタマモを見つめていた
(横島さん… いつの間にあんな表情をするようになったの…?)
怒り狂い冷静さを欠く令子と違い
おキヌは自然と横島を目で追いかけていた
前なら気のせいで済ませていた横島の変化
現実を突きつけられてから見る横島とタマモの様子は、本当に遠い存在だと確信する
それに、その中に垣間見えた険しい表情の横島
おキヌは今まで見ようとしなかった現実を知るも…
結局、見ていることしか出来ない
その頃、美神事務所に美智恵が到着していた
「人工幽霊、令子達は?」
美智恵は無人の事務所に入り、内心舌打ちをする
「本日は、事務所の皆さん総出で姫路城に除霊に向かいました」
人工幽霊の声が静に室内に響く
「総出? 横島君やタマモ達も?」
「はい、本日は全員で向かわれました」
美智恵は、珍しくフルメンバーで除霊に向かったのを知り、タイミングの悪さに拳を握りしめる
(ちっ! 肝心な時に居ないんだから…)
美智恵は内心イラつきながらも、表情に出さずに少し考える
「人工幽霊、ここ半年の横島君が居る時の事務所の様子を見せなさい」
美智恵は予定とは違うが、居ないなら居ないでやるべきことを考えた
せっかくだから事務所の人間関係と、横島とタマモの関係を洗い直そうと決める
「しかし… オーナーの許可無く見せるのは…」
人工幽霊は対応に苦慮する
令子は常々、美智恵の口出しや監視を愚痴っている
その美智恵に、事務所の様子を無断で見せていいか判断が出来ない
「私は令子の母親です! 責任は私がとります。 いいから見せなさい!」
美智恵は渋る人工幽霊にキツい口調で命令する
「かしこまりました」
人工幽霊は美智恵の押しに負けて、過去の記憶を見せ始めた