新しき絆・2
「それで、この後はどうするんだ?」
組長はしばらく待ったが、一向に答えない美智恵に問いかける
「一旦考え直します。 もし横島君から女性に連絡があれば、落としてちょうだい。 後はいいわ」
美智恵は組長に現金の束を数個渡して帰る
1束で一千万はあるだろう札束を数個渡された組長は、それを自分のカバンにしまい1人食事を続ける
美智恵は車に乗ったが、動かすことなくその場で再び考え始める
(この前のバレンタインも、タマモは知ってて聞いてたのね…)
美智恵はタマモを苦々しく思いながら考えていく
タマモと魔鈴に関係があるなど全く予想出来なかった
タマモ自身は、人間に対して気を許すことは無かったし
令子やおキヌが相手でさえ、一定以上踏み込まない
それは横島が相手でも同じだと思っていたのだが…
美智恵は知らない
タマモが横島には気を許していた事実に…
そして、いちいち細かい事に口出しする美智恵を鬱陶しく思う令子は、わざわざ突っ込まれそうな話は美智恵にしていなかった
タマモが横島に懐いているなどと美智恵が知れば、また余計なことを言われて不快な思いをするのだから…
(タマモは予想以上に横島君を信用してるみたいね、でも何故魔鈴にまで懐いてるの!!)
美智恵は納得がいかない
令子やおキヌにすら距離を置いたタマモが、第三者の魔鈴に自分から会いに行くなど理由がわからないのだ
(まかさタマモが裏で魔鈴と組んで、令子と横島君を引き離そうとしてるの?)
美智恵は無言で考えてゆくが、抑えきれない怒りが表情に出ている
やはり美智恵は気がつかない
横島が美智恵や令子から離れた最大の理由に…
そして、横島に本心から嫌われているとは夢にも思わない
真実を知らない美智恵は、横島を奪った魔鈴と今まで美智恵や令子を欺いていたタマモへと、疑念や怒りが向いていく
「どうやらタマモとシロには、事務所から消えてもらうしかないわね…」
美智恵は事務所と横島を繋ぐ鎖になると思っていたタマモとシロが、逆の立場なのを知り邪魔者には居なくなってもらおうと考える
「誰にも渡さないわ。 横島君は令子と美神家の物よ! 令子の幸せと美神家の繁栄の為に…」
美智恵はそう呟き、車を走らせて事務所に向かう
その頃百合子は、都内のホテルのレストランで美智恵が組長と接触した事実の報告を受ける
「わかったわ。 引き続き尾行して頂戴」
百合子は携帯でそのまま電話をかける
「私です。 美神美智恵がヤクザから何らかの情報を得たみたい。 恐らくタマモちゃんとシロちゃんはもう危険ね… すぐ保護した方がいいわ」
「今日は事務所に横島が居るぞ? 恐らく一緒の仕事だ。 横島に連絡して、仕事終わりに連れ出してもらった方がいいんじゃないか?」
百合子の通話先は雪之丞であった
雪之丞は美神事務所から少し離れた場所で事務所を見張っていた
「そう… なら忠夫に伝えて頂戴。 もし、忠夫とタマモちゃんとシロちゃんが別行動なら、雪之丞君が保護して頂戴」
「ああ、わかった」
百合子は雪之丞との電話を切り一息つく
「いよいよね… あなた」
「ああ、決着の時かもな…」
百合子の向かいには、ナルニアにいるはずの大樹が座っていた
組長はしばらく待ったが、一向に答えない美智恵に問いかける
「一旦考え直します。 もし横島君から女性に連絡があれば、落としてちょうだい。 後はいいわ」
美智恵は組長に現金の束を数個渡して帰る
1束で一千万はあるだろう札束を数個渡された組長は、それを自分のカバンにしまい1人食事を続ける
美智恵は車に乗ったが、動かすことなくその場で再び考え始める
(この前のバレンタインも、タマモは知ってて聞いてたのね…)
美智恵はタマモを苦々しく思いながら考えていく
タマモと魔鈴に関係があるなど全く予想出来なかった
タマモ自身は、人間に対して気を許すことは無かったし
令子やおキヌが相手でさえ、一定以上踏み込まない
それは横島が相手でも同じだと思っていたのだが…
美智恵は知らない
タマモが横島には気を許していた事実に…
そして、いちいち細かい事に口出しする美智恵を鬱陶しく思う令子は、わざわざ突っ込まれそうな話は美智恵にしていなかった
タマモが横島に懐いているなどと美智恵が知れば、また余計なことを言われて不快な思いをするのだから…
(タマモは予想以上に横島君を信用してるみたいね、でも何故魔鈴にまで懐いてるの!!)
美智恵は納得がいかない
令子やおキヌにすら距離を置いたタマモが、第三者の魔鈴に自分から会いに行くなど理由がわからないのだ
(まかさタマモが裏で魔鈴と組んで、令子と横島君を引き離そうとしてるの?)
美智恵は無言で考えてゆくが、抑えきれない怒りが表情に出ている
やはり美智恵は気がつかない
横島が美智恵や令子から離れた最大の理由に…
そして、横島に本心から嫌われているとは夢にも思わない
真実を知らない美智恵は、横島を奪った魔鈴と今まで美智恵や令子を欺いていたタマモへと、疑念や怒りが向いていく
「どうやらタマモとシロには、事務所から消えてもらうしかないわね…」
美智恵は事務所と横島を繋ぐ鎖になると思っていたタマモとシロが、逆の立場なのを知り邪魔者には居なくなってもらおうと考える
「誰にも渡さないわ。 横島君は令子と美神家の物よ! 令子の幸せと美神家の繁栄の為に…」
美智恵はそう呟き、車を走らせて事務所に向かう
その頃百合子は、都内のホテルのレストランで美智恵が組長と接触した事実の報告を受ける
「わかったわ。 引き続き尾行して頂戴」
百合子は携帯でそのまま電話をかける
「私です。 美神美智恵がヤクザから何らかの情報を得たみたい。 恐らくタマモちゃんとシロちゃんはもう危険ね… すぐ保護した方がいいわ」
「今日は事務所に横島が居るぞ? 恐らく一緒の仕事だ。 横島に連絡して、仕事終わりに連れ出してもらった方がいいんじゃないか?」
百合子の通話先は雪之丞であった
雪之丞は美神事務所から少し離れた場所で事務所を見張っていた
「そう… なら忠夫に伝えて頂戴。 もし、忠夫とタマモちゃんとシロちゃんが別行動なら、雪之丞君が保護して頂戴」
「ああ、わかった」
百合子は雪之丞との電話を切り一息つく
「いよいよね… あなた」
「ああ、決着の時かもな…」
百合子の向かいには、ナルニアにいるはずの大樹が座っていた