新しき絆・2

「いつから無茶してたんですか?」

魔鈴は笑顔で横島に聞くが、目が笑って無い

(前から変だったんですよね… 時々異常に疲労が溜まってたり、してましたし…)

魔鈴は、横島がずっと隠していたことが面白く無い

タダでさえ危うい精神状態なのに、よく無事だったと不思議に思う

(まあ、昔に比べれば実力は付けてるので、修行はしてるとは思いましたが、まさか睡眠時間を削っていたとは…)

魔鈴が頭でいろいろ考えながらも、笑顔で横島を真っ直ぐ見つめている


「え…と…、魔鈴さんと夜中会う前からですよ。 あの時も本当は修行してたんで…」

横島はオドオドと説明を始める

(ヤバい… やっぱり怒ってる)


「えっ…」

魔鈴は思考や怒りが止まる

「あの日、助けてくれた時も修行してたんですか?」

魔鈴は驚き問いかける


「はい… 近くで誰かが戦ってる気配がしたんで、様子を見に行ったら魔鈴さんが居たんです」

横島は申し訳なさそうに魔鈴を見る


「そうだったんですか…」

魔鈴の怒りはすっかり落ち着いていた

(あの日、夜中に出会った理由が修行をしてたからなんですね…)

魔鈴は申し訳なさそうな横島を見て、優しく微笑む

「ズルいです… あの日のこと言われたら、私怒れません。 あの日修行してたからこそ、横島さんに助けてもらえたなんて… あの日横島さんに出会って無かったら、私死んでましたから…」

魔鈴は優しく微笑んで横島を抱き締める


「魔鈴さん…」

横島は魔鈴の怒りが溶けてホッとしたが、心配させてしまったことを申し訳無く思う


「無茶はダメですよ? 後は無茶はしてないですか?」

魔鈴は横島を抱き締めたまま、耳元で囁く


「後は、たまに雪之丞と修行したり、天狗に修行を付けてもらってるくらいです」

横島は言いにくそうに魔鈴に話す


「天狗って、あの薬を頂いた天狗ですか?」

魔鈴は驚き、横島を離して顔を見つめる


「はい、あの後週に一回くらいですかね… 冬休みは少し多く行きましたけど」

横島は心配そうに見つめる魔鈴に、なんと説明していいかわからない

「雪之丞さんは知ってたんですね…」

魔鈴はこれは面白く無い 
2人で隠してたのだから…


「いや… 別に隠してた訳じゃないんすけど、言うタイミングが無くて…」

横島は再び怒りだした魔鈴に困ったように言い訳するが…


「横島さんのこと良くわかりました…」

魔鈴は真剣な表情になり横島を見つめる


「はい…」

横島はうつむき何と言っていいかわからない


「横島さん、今日から家に住んで下さいね」

魔鈴は真剣な表情で突然そんなことを言い出した


「えっ…!?」

横島は意味がわからず目を見開き驚く


「横島さんに無茶をするなと言うのが、無理なのがわかりました。 私が、横島さんが無茶をしないように見張ってます!」

魔鈴は真剣な表情で横島を見つめている

(横島さんを1人にしたらダメですね… 必ずまた無茶をします)

魔鈴は決意を持って横島に話していた


「いいですか横島さん? 無茶をすれば強くなる訳ではありません。 人である以上、無茶は必ずどこかに歪みが生じます! あなたはわかってません!」

魔鈴は怒りの表情を浮かべて、子供に言い聞かせるゆうに横島に話している

「すいません…」

横島はとりあえず謝るしか思いつかない
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