その一

「お前こそ何言ってんだよ~ 体調悪いみたいだから様子見に来るっていったろ?」

メドーサは寝ぼけてるのかと、横島はそんなことを思いつつ電気をつける


「えっ…!?」

メドーサが見たのはコンビニ弁当を持って来た横島だった


「寝ぼけてんのか? まあいいや、飯食うだろ」

ポカーンとしたメドーサに横島買ってきた弁当を渡す

渡された弁当を呆然と見つめ、メドーサはいつの間にか涙を流していた


「どわっ!? メドーサなんで泣いてんだ!」

涙を流すメドーサにオロオロする横島

一方メドーサは自分では気が付かなかったようで、驚きながら涙を拭いていた


「もしかして、コンビニ弁当は嫌いか?」

真剣な表情でそんなことをきく横島は、牛丼にするべきだったかと後悔する


「わからない… なんであんたはあたしに優しくするのさ」

涙を隠すようにうつむいたメドーサは小さくつぶやく


「えっ!?」

だが、横島はメドーサの言葉の意味がまるで意味がわからない


「あんたに優しくされると、あたしはおかしくなるんだよ! 胸が苦しくて痛くなる!」

何かがキレるように怒鳴るメドーサ

しかしその表情は怒りではなく、寂しさや孤独のように見えた


「ごめん…」

横島はどうしていいか分からずに謝るしか出来ない


「謝るくらいなら優しくするな!」

まるで子供のように怒鳴るメドーサを見ていられなくなった横島は何故か抱きしめてしまう


「あっ…」

一瞬横島を殴ろうとしたメドーサだが、その手はいつのまにか横島を抱きしめていた



そのまま甘い空気が広がるかに見えたが…

メドーサのような美女に抱きつかれて、横島がいつまでも平気な訳は無かった


(ヤバい… 胸が… 胸が… 今度こそいいだろうか)

横島の薄い理性は最早限界である


「メッ…メドーサー!! 可愛いぞコンチクショー! 年増なのに胸はまだまだ若いぞー」

せっかくの空気を理解出来ない横島は自分からぶち壊して、メドーサを押し倒す


ブチッ!


今度はメドーサの何かがキレる音がした


「誰が年増だって~ どうやら二度と女を抱けない体になりたいようだね……」

額に青筋を浮かべてフルフルと震えてるメドーサは、何故か顔が真っ赤である


「いや… あの… 年増の色気で我慢が出来なくて…」

何かフォローしようとする横島だが、話せば話すほど深みにはまってゆく


「お前が何を考えてるか、よーくわかったよ。 さあ、楽しい夜の始まりだね」

意味深な笑みを浮かべたメドーサが横島に近寄っていく


「あっ僕帰って勉強しないとっ…」

さっと立ち上がり逃げ出そうとする横島だが、後ろからメドーサに捕まってしまう


「フフフ… あたしを押し倒したんだ。 覚悟は出来てるんだろうね? 責任とってもらうよ」

横島の顔をそっと撫でてニヤリと笑みを浮かべるメドーサ


「あの… 僕はどっちかと言うと責める方が…」

この期にに及んで淡い期待をする横島


「我、メドーサの名において汝の欲望を封じこめよ!」

メドーサはそんな魔力を込めた言葉を言い、横島の口にキスをした

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