その一
それから三日が過ぎていた
どんよりした暗いオーラを背負い、やつれた表情でオカルトGメンの事務所に入って行くのは西条である
「おはようございます」
事務所内の女性事務員は挨拶もそこそこに、西条を避けるように仕事を始めた
(僕のイメージが…)
女性事務員の冷たい態度に、西条は落ち込んでいたのを更に落ち込んでしまう
そんな最近ようやく雇った女性事務員が冷たいのには訳がある
のぞみと会った次の日、オカルトGメンにのぞみの代理人と言う弁護士が訪れていた
彼は告訴状を持参しており、裁判所に訴えると通告してきたのだ
西条の運が悪かったのは、その現場を事務員に見られていた事である
女性を妊娠させて訴えられた西条に事務員は途端に冷たくなり、オカルトGメンの事務所は針のむしろ状態だった
(せっかく好みの女性を雇ったのに…)
楽しい職場になるはずが全く逆になってしまい、西条は深くため息をはく
しかし、西条の悲劇はまだまだこんなものではなかった
「冥子、何か用?」
同じ頃、寝起きの不機嫌な令子のマンションに遊びに来ていたのは冥子である
「昨日ね~ 怖い夢を見たら、令子ちゃんに会いたくなったの~」
相変わらずの天然全開な冥子は、ただ怖い夢を見ただけで朝から押しかけて来たようだ
「冥子…、私昨日は3時まで仕事だったのよ…」
迷惑だから帰れと言いたい令子だが、プッツンが怖くて言えない
そんな不機嫌そうな令子に何も感じない冥子は、楽しそうにたわいもない話をしていく
「そういえば~、西条さんに子供が出来たみたいよ~」
あまりにたわいも無い冥子の日常の話に軽く聞き流していた令子だが、途中に聞き捨てならない話が混じっていた
「ちょっ…ちょっと 、冥子! 何なのよその話!?」
「良く知らないけど~ お母様が、お客様とそんな話をしてたわ~ スキャンダルが何とかって~」
驚き目を見開いた令子が冥子の肩を掴み問いただすが、もちろん冥子がきちんと聞いてるはずもない
(この娘は肝心なとこを…)
中途半端な情報に苛立つ令子だが、嘘とも言えなかった
冥子にそんな嘘をつく頭は無いし、母親の名前が出た時点で話がかなり真実味を持っている
「それでね~ バサラったら……」
令子が考え込んでる間に、冥子の話はまた下らない話になっていた
どうやら西条の話は冥子にとってはどうでもいいらしく、話が変わり式神達の話を楽しそうに語っている
(たまにレアな話があるのよね…)
楽しそうに話す冥子を見た令子は、あまりの驚きに言葉が出ない
六道家の娘たる冥子の話は、たまにかなり重要な話が混じっているのだ
問題は本人にその自覚がまるでないことなのだが…
(西条さん… 昨日も私に謝りに来たのに、まさかよそで子供を作っていたなんて……)
あまりの衝撃的な事実に、令子は怒りを通り越して呆れていた
(これは事実を確認する必要があるわね)
その時怪しく微笑む令子の心の奥底では、マグマのように溜まっていたストレスが西条に向けて解放され初めていた事に、誰も気付いていなかった
どんよりした暗いオーラを背負い、やつれた表情でオカルトGメンの事務所に入って行くのは西条である
「おはようございます」
事務所内の女性事務員は挨拶もそこそこに、西条を避けるように仕事を始めた
(僕のイメージが…)
女性事務員の冷たい態度に、西条は落ち込んでいたのを更に落ち込んでしまう
そんな最近ようやく雇った女性事務員が冷たいのには訳がある
のぞみと会った次の日、オカルトGメンにのぞみの代理人と言う弁護士が訪れていた
彼は告訴状を持参しており、裁判所に訴えると通告してきたのだ
西条の運が悪かったのは、その現場を事務員に見られていた事である
女性を妊娠させて訴えられた西条に事務員は途端に冷たくなり、オカルトGメンの事務所は針のむしろ状態だった
(せっかく好みの女性を雇ったのに…)
楽しい職場になるはずが全く逆になってしまい、西条は深くため息をはく
しかし、西条の悲劇はまだまだこんなものではなかった
「冥子、何か用?」
同じ頃、寝起きの不機嫌な令子のマンションに遊びに来ていたのは冥子である
「昨日ね~ 怖い夢を見たら、令子ちゃんに会いたくなったの~」
相変わらずの天然全開な冥子は、ただ怖い夢を見ただけで朝から押しかけて来たようだ
「冥子…、私昨日は3時まで仕事だったのよ…」
迷惑だから帰れと言いたい令子だが、プッツンが怖くて言えない
そんな不機嫌そうな令子に何も感じない冥子は、楽しそうにたわいもない話をしていく
「そういえば~、西条さんに子供が出来たみたいよ~」
あまりにたわいも無い冥子の日常の話に軽く聞き流していた令子だが、途中に聞き捨てならない話が混じっていた
「ちょっ…ちょっと 、冥子! 何なのよその話!?」
「良く知らないけど~ お母様が、お客様とそんな話をしてたわ~ スキャンダルが何とかって~」
驚き目を見開いた令子が冥子の肩を掴み問いただすが、もちろん冥子がきちんと聞いてるはずもない
(この娘は肝心なとこを…)
中途半端な情報に苛立つ令子だが、嘘とも言えなかった
冥子にそんな嘘をつく頭は無いし、母親の名前が出た時点で話がかなり真実味を持っている
「それでね~ バサラったら……」
令子が考え込んでる間に、冥子の話はまた下らない話になっていた
どうやら西条の話は冥子にとってはどうでもいいらしく、話が変わり式神達の話を楽しそうに語っている
(たまにレアな話があるのよね…)
楽しそうに話す冥子を見た令子は、あまりの驚きに言葉が出ない
六道家の娘たる冥子の話は、たまにかなり重要な話が混じっているのだ
問題は本人にその自覚がまるでないことなのだが…
(西条さん… 昨日も私に謝りに来たのに、まさかよそで子供を作っていたなんて……)
あまりの衝撃的な事実に、令子は怒りを通り越して呆れていた
(これは事実を確認する必要があるわね)
その時怪しく微笑む令子の心の奥底では、マグマのように溜まっていたストレスが西条に向けて解放され初めていた事に、誰も気付いていなかった