その一

グ~…


お互い沈黙の中横島の腹の虫が騒ぐ


「とりあえずメシにするか。 ってか俺のパンツどこだ?」

気がつくと真っ裸だった横島は服を探す


「メドーサ、俺の服知らんか?」

ショックで落ち込むメドーサに、横島はあまり気にした様子も無く話しかける


「ここにあるよ! と言うかお前、昨日まで敵で殺し合ったあたし相手によく欲情出来るな…」

メドーサは顔を赤らめて、自分の近くにあった服を横島に投げた

ちなみにメドーサが顔を赤らめた理由は、横島のある一部が元気いっぱいで主張しているからである


「仕方無いやんか~ 男なんだから」

横島は笑って答えるが、メドーサは理解出来ない


「あたしはいつでもお前を殺せるんだからねっ! これ以上変な気起こすなよ!」

言葉は危ないが、顔を赤らめて恥ずかしそうなメドーサを見ると、横島としてはイマイチ緊張感が出ない

と言うか逆にメドーサに欲情する原因になってたりする


「とりあえず、コンビニでメシ買って来るわ。 その間に服着ててくれ。 これ以上理性を保てる自信が無い」
 
僅かだが理性のある横島は服を着てコンビニに行こうと立ち上がるが…


チャキ…


いつの間にかメドーサの刺す又が、横島の首の手間で止まってる


「あんた… まかさ誰かにあたしの事を教えて助けでも呼ぼうってのかい?」

さっきとは全く違い殺気を露わにして横島を睨むメドーサ

さすがに命の危機を感じれば元のメドーサに戻るようだ


「いや… 家には食いもんが無いだけなんだが… 俺とお前は一晩共にした仲じゃんか。 さすがに話も聞かずに売るような真似はしないよ」

突然いつものメドーサに戻ったので、横島はびびってしまうのだが…

その視線はすぐに下を向いてしまう


「んっ…!? この変態!!」


バキッ!!


横島の視線で初めて自分の状態を思い出したメドーサ

彼女は真っ裸であったのだ

再び顔を真っ赤にして、横島を殴って布団に戻るメドーサの姿はとても魔族には見えない


「また見られた… 横島なんかに見られた…」

恥ずかしさと横島に見られたショックでメドーサは布団で震えている


「痛てて… まあ、気にすんな。 さっきも見たしな」

殴られた箇所を押さえつつ、メドーサを慰める横島

だが横島の慰めは、余計にメドーサを落ち込ませる


結局横島とメドーサは、それから一時間は同じような繰り返しをすることになる


一時間半後、横島とメドーサは都内の最高級レストランにいた


「なあメドーサ… 俺さ、こんな店で食うほど金無いぞ?」

メニューを見てみると値段が書いてない上、日本語じゃないので横島は全く読めない

しかもその店のあまりの雰囲気に、横島は怯えた様子でメドーサに話しかける


「心配しなくてもあんたが金持ってるなんて思っちゃいないよ。 グズグズしてないでさっさと選びな」

「メニューが読めないから同じもんでいいや…」


横島の様子に何故かイラつくメドーサ

対して横島は選べない為同じ物を頼むのだった


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