その一

 
 第一話 昨日の敵は今日の嫁!?



「う~ん… 頭いてぇ…」

窓から差し込む眩しい日差しで目を覚ました横島だったが、頭がガンガンして気持ち悪い


「いま… 何時だ…?」

最悪の体調の中、腕を伸ばして目覚まし時計を見ようとした


むにゅ…

もみもみ…


「あれ… なんで目覚まし時計が柔らかいんだ?」

もみもみ…

もみもみ…

不思議に思うが頭は働かない為、その柔らかい感触を楽しむ横島


「…んっ… 朝からお止め。 昨日あれだけシタだろ」

横島が揉んでいた柔らかい目覚ましはどうやら話すようだ


「えっ!?」

突然知らない声が聞こえた横島は慌てて目を開くとそこに居たのは……


「ドワーーッ!!! メッ… メッ… メドーサ!!」

ドタバダと布団から逃げ出す横島の顔色は真っ青である

それもそのはず、横島の布団には何故かメドーサが一緒に寝ていたのだ

しかも、横島もメドーサも裸である

横島は突然の事態に訳が分からない


「もう… うるさいよっ! バカ野郎が!」

不機嫌そうなメドーサは体を隠しもせずに起き上がる


「あれ… あたしは昨日何してたっけ…? あっ、お前はよこしまっ!! なんであたしがお前と一緒なんだい!!」

眠そうなメドーサが目を開くと、部屋の隅で顔色が真っ青になってる横島を発見して、今度はメドーサが慌てふためく


ジッーー


意味がわからず恐怖だった横島だが、メドーサの体を見れば目が離せなくなる

メドーサの胸と自分の手を交互に見つめ、先ほどの感触を思い出してニヤけてしまう


「見るんじゃないよっ! 変態!!」

顔を真っ赤にしたメドーサは布団に潜って体を隠す


「うおっ!? 予想外の反応だ! まるで普通の女みたいだ…」


バコン!!

横島の頭に雑誌らしき本が投げられた


「あたしは元から身持ちは固い女だよ! その変の軽いバカ女と一緒にするんじゃないよ!」

メドーサは横島を睨みつけるが、顔が真っ赤なため昔のような迫力は無い


「いいじゃんか~ 減るもんじゃないし…」

横島は隠されて残念そうにメドーサを見つめる

どうやら横島はメドーサの裸で最初の恐怖は忘れたようだ


「そんな問題じゃないだろ! と言うかなんでお前があたしと寝てるんだいっ!!」

「知らん! 全然覚えてとらん! ここは俺の部屋だからメドーサから来たんじゃないのか!?」

どうやら2人共覚えてないらしく、痴話喧嘩のように怒鳴り合う


「神魔界で名を馳せたあたしが… まさか、横島とやっちまうなんて…」

メドーサはこの世の終わりのような表情で落ち込む


「俺たちやったのか…?」

さすがの横島もメドーサの様子に罪悪感を感じてしまう


「覚えてないけど、やったのは間違いないよ」

メドーサがそう言うと部屋は沈黙に包まれる


(クッ… 初体験を覚えてないなんてっ… 俺はなんて愚かなんだっ!!)

横島はメドーサと違う意味で落ち込んでいた

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