その一

「わっはははは!! どうだ! どうせ覗かれるなら俺の煩悩をとことん見るがいい」

予想外に純情そうなヒャクメの反応に横島は高笑いして調子に乗るが、ヒャクメも黙ってるはずがない


「ムッ……、そこまで言うなら付き合ってあげるのねー 横島さんの恥ずかしい事をみんなに言うのね!」

横島に対抗するようにムキになるヒャクメは、心の隅から隅まで覗こうとしていく


「ならばこちらも奥の手だ!」

今度はセクハラ妄想に動じなくなったヒャクメに、横島は文珠を使い心を覗きはじめる

酒の影響からか、お互いに妙なテンションになり相手の秘密を覗く姿は異様であった



それから数時間後、ぐでんぐでんに酔った横島とヒャクメは互いの心の奥底まで全部知ってしまう


「うーん、ちょっと調子に乗りすぎたな」

「そうなのね」

お互いに相手の全てを知ってしまった横島とヒャクメは、妙に意識し始める

良くも悪くもお互いの全てを知っただけに、気にならない訳がなかった


「ヒャクメ、この事は二人の秘密にしよう。 お互いにそれがベストだ」

「それがいいのね」

最早アイコンタクトでなんとなく相手の言いたい事がわかる二人は、今日の事を秘密にしようと固く誓う


「さあ、温泉に入って飲み直すのねー!」

「ぬあにぃ!? こっ混浴か!!」

「もちろん混浴なのねー! お互い隠すモノが無いんだからいいのね!」

「おしっ! 行くぞ!!」


しかし、横島とヒャクメが大人しくしていたのは僅かな時間だった

お互いに秘密の共有と保持を約束した結果、二人は最も信頼出来る関係になっている

元々同じようなノリで生きてるタイプなだけに、変な遠慮が無ければかなり気が合うのだろう


この後止める者が居ない二人がどこまで弾けるかは、また別の話……

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