その一

横島はヒャクメの勝手な話に、どこをどう突っ込んでいいかわからなかった…


横島は頭の中とは逆に、体はヒャクメをしっかり抱きしめていた


やはり横島は煩悩には勝てなかった…


だが、横島は残り少ない理性でヒャクメに話しかける

「ヒャクメ… 何考えてるんだ? そんなのは好きな奴に言えよ…」

横島はオドオドしながら、頑張って話したが…


「私は割と横島さんが好きなのねー 心を読んでも嫌わないし、優しいから好きなのねー」

ヒャクメは横島の考えなど読めていた


そして素直に横島に告白する…


「へ……!?」

横島は驚きで固まった

横島の周りで、横島に真っ直ぐに告白した人はルシオラだけだったのだから…


「横島さんの心は裏がないから心地いいのね…」

ヒャクメは横島のことをよく理解していた

彼は極度な自分不信だ…

横島を一番評価してないのは、横島自身なのだから…


そんな横島を素直に褒めて告白する


一見当たり前のようだが、横島には一番効果的なのだ


そして心の読めるヒャクメは横島の煩悩を読んでるが…

全く気にして無かった


人間も神族も…

男はみんな心の中は同じだから…

下手に欲望を隠して偽善的な神族などより、よっぽど良かったのだ


ヒャクメの言葉と態度に横島の頭と体はパンクしそうだった…


「ヒャクメ… お前は俺のこと読めるんだろ…? 俺にだっていろいろあるんだぞ…」

横島は困ったように話した


「わかってるのねー 私は横島さんが何を考えてるのか… でも、私は横島さんを好きだから、いいねー」


ヒャクメは横島がルシオラのことで悩んでるのを読んでいた

「本当にわかってるのか…? それに、俺なんてスケベで最低な男だぞ?」

横島はヒャクメが何を考えてるか全く理解出来なかった…


「別にいいのねー ルシオラさんは私が産んであげるのねー それに、性欲の無い男は逆につまんないのねー どうせ私には心の中が見えちゃうから… 隠すか隠さないかは関係ないのね!」


ヒャクメはあっけらかんとしていた
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