その一

魔鈴の心臓が鼓動を早めていく

横島は静かに続けた

「俺は今でもルシオラを愛しています。 この命の半分はルシオラだから、俺達は二人で一人なんです。」

魔鈴は横島を見つめ何も言わずに聞いている


「でも、俺は同じくらい魔鈴さんを愛してます。 本当に身勝手ですけど… だから、俺は魔鈴さんを守りたい。 恋人になれなくても側でずっと守りたい。」

「だから、俺を魔鈴さんの店で正式に雇って下さい。」


横島は魔鈴を見てそう言った…

魔鈴の返事を待っている


少し間があいて…



「横島さんを雇うのは嫌です。 私も横島さんを愛してます。 私はあなたと対等でいたい。 私を横島さんの隣に居させて下さい。 反対側にはルシオラさんでもいい。 同じく愛して下さい」


魔鈴は横島に抱きついた

横島もそっと魔鈴を抱き締める


「魔鈴さん… あなたに会えて良かった…」

横島は魔鈴を抱き締めながら呟いた。


「横島さん、私幸せです…」


二人は夕日が沈みゆく中
恋人としてのキスを交わした

(ヨコシマはヨコシマらしく、彼女と幸せになってね。 でも、来世では負けないわよ。 千年待った女性は意地っ張りでだめだったけど、私は違うわよ 覚悟してね。 ハパ 魔鈴さん…いえ、ママ、ヨコシマをお願いね……)



それは聞こえた訳ではなかった
だが二人の魂には聞こえた
そんな気がした



それから…
現代の魔女と文殊使いの活躍と功績は
歴史に残ることになる


そして
一人娘もまた
世界屈指のGSになる……



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