その一

第一話


時は12月中頃

その日横島はかなり空腹だった……

「腹減った~ もう3日も水だけだ……」


いつもなら美神事務所で、おキヌちゃんにご飯を食べさせてもらうんだが、今は居ない

一週間前から
美神は母親と一緒に父親の居る海外に行ってしまった。
帰るのは1月中頃


おキヌは学校の冬休みで、仕事が無いならと実家に帰ってしまった


おキヌが居ないとご飯が食べれない
シロ、タマモは人狼の里に行ってしまった


当然バイトがないとお金は入らないし、おキヌが居ないためご飯も食べれない

お金は残り少なくて、どう考えても生活出来ないため、親に今月だけでも仕送りを増やしてほしいと頼むが、無論だめだった


横島は近所をフラフラと歩いて、公園に入ったら……


倒れた……


横島が目を覚ますとそこは病院だった

「横島さん!? 大丈夫ですか?」

隣には魔鈴さんがいた

「あれ? 魔鈴さん… 俺なんで病院に居て魔鈴がいるんすか?」

横島は首を傾げながら聞いた

「横島さんは公園で倒れてたんですよ。 私が偶然見つけて病院に運びました。 栄養不足と過労だそうですよ」

魔鈴は心配そうな顔で話した

「そうだったんすか… ありがとうございます ここ二ヶ月忙しくて、しかも一週間前から美神さんが海外に行ってしまって… 俺はお金無いから3日前から水だったんですよ~」

魔鈴に頭を下げてお礼を言って
横島は笑い話のように説明した

「横島さん… 自分の体を考えないと… 横島さんでも、一応人間ですよ? そんな調子ではいつか死にますよ……」


魔鈴は呆れながら話した


「すいません 気をつけます。 じゃあ俺帰りますね」

横島はベッドが出て帰ろうとした

「横島さん!? 今日は安静にして1日入院して下さい。」

魔鈴はビックリして言った


「いや~ これ以上居たらお金払えなくなりますから… 俺は家で寝てれば大丈夫ですよ。」

苦笑いしながら説明した

「あなたという人は……」

魔鈴は呆れながらも、横島が帰ると言うならしかたないかと思って帰った


魔鈴は夜になり店が終わるとご飯を作り、横島に持っていくことにした。


「なんか気になりますね~ 横島さん大丈夫でしょうか? お金無いってご飯食べてないんでしょうね~」


そうして魔鈴は、横島のアパートに行った

魔鈴が部屋に行くと、横島は寒い部屋で布団にくるまって震えていた…

「魔鈴さん? 今日はありがとうございました。 どうしたんすか?」

横島は少し青い顔色で、笑顔を作って話した


「横島さんご飯食べてないって言ってたんで、ご飯作ってきたんですよ。 それよりこの部屋は暖房は無いのですか?」
魔鈴は持ってきたご飯を温め直しながら聞いた


「去年まではコタツがあったんですけどね… 壊れてしまって…」


魔鈴はテーブルにご飯を持っていった


「さあ食べて下さいね。 しばらく食べてないみたいなので消化のいい物にしましたよ」


「うっ… うまいっす… 3日ぶりのご飯だ…」


横島は涙を流しながら食べていた…

「横島さん… 何も泣かないでも… とりあえずゆっくり食べて下さいね」


横島がご飯を食べ終わると

「魔鈴さん 本当にうまかったっす。 ご馳走さまでした」

横島は笑顔でお礼を言った


「これからしばらくどうするんですか?」

魔鈴は横島が心配になり聞いた

「なんとかなるっすよ」

横島はそう言って笑っていた


「あなたと言うな人は…… 横島さん? 当分私の店でバイトしませんか? ご飯を三食とバイト代をいくらか出しますよ?」


「本当ですか? よろしくお願いします!」

横島は土下座をしてお礼を言って喜んだ

1/12ページ
スキ