その一
「あいつどうしたんっすかね」
「自身の存在に悩み苦悩しているのですよ」
「あれだけ美形のイケメンで何が不満なんっすか?」
小竜姫の言葉に何かを掴んだようなピートに横島は不思議そうに首を傾げるだけだった。
ピートから離れた横島は小竜姫に先程の会話の意味を尋ねるが、横島には小竜姫の真意が理解出来ない。
横島にとっては種族の違いなど見た目よりも遥かに些細なことなのだが、小竜姫はそんな横島の価値観の価値を理解して嬉しそうに微笑む。
「それよりあと一勝でGS免許取得出来ますね」
「本当に俺がGSになれるんっすか?」
「ええ、いずれ美神さんや唐巣さんに負けないGSになれますよ」
悩みながらも試合に向かうピートを遠くから見ている横島と小竜姫だが、横島は間近に迫った自身のGS免許取得がイマイチ信じられないようだ。
コンプレックスの塊のような横島にとって、GSは自身には絶対無理な雲の上の存在である。
実際横島はここまでも何もしてなく小竜姫が授けた心眼が全てやったのだから、GSに成れる実感など皆無らしい。
「小竜姫さまにそこまで言わせて負けたら後が恐いっすね」
実感が全くない横島だが一片の曇りもない信頼の表情を見せる、小竜姫の期待は少しプレッシャーだった。
正直小竜姫にここまでして貰って失敗などしたら後がどうなるのか恐いようである。
「そうですね。 なら負けたら罰として妙神山で当分私の手伝いでもしてもらいましょうか?」
「妙神山で手伝いって……」
後が恐いと言う横島の言葉に面白そうにクスクスと笑う小竜姫は、笑いながら負けた時の罰を告げる。
その瞬間横島は妙神山での手伝いを想像するが、顔色が真っ青になったかと思えばだらしなくにやけたりとコロコロと変わる表情が忙しい。
正直罰としての手伝いが恐い気もするが、今の小竜姫と一緒ならば悪くもないと思ってしまう。
昨日からやたらとボディタッチが多くよく腕を絡ませて来る小竜姫と二人っきりの妙神山も、案外楽しいのではとの邪な想像をしてしまったらしい。
「そうそう勝った時のご褒美は何がいいですか? なんなら混浴とかでも……」
負けた時の罰の損得を考える横島に、小竜姫は耳元で囁くように勝った時のご褒美の話をする。
実際のところ小竜姫は横島がGS免許を取得してもしなくてもどちらでもいいのだが、しいて言うならば免許を取得してからマンツーマンで一から教えたいらしい。
どうしても負けた時が気になる横島に、小竜姫はご褒美の内容をちらつかせることでやる気を出させる方に誘導する。
「こっこっこっ……」
そんな小竜姫の言葉に横島は壊れたように同じフレーズをリピートして、本当に本当なのかと小竜姫を見つめた。
「もう一度確かめますか?」
横島とて流石にもう小竜姫を疑う訳ではないが、あまりにも美味しい話が素直に信じられないのも無理はない。
そんな横島を見つめたまま小竜姫は静かに目を閉じるが……。
「あんた達いい加減にしなさいよ」
先程から周りが居づらくなるほどイチャイチャとしていた横島と小竜姫に、流石に呆れたようなミカ・レイ姿の令子がツッコミを入れる。
小竜姫が横島に本気なのは令子も理解し始めたが、いくらなんでも公衆の面前でイチャつきキスまでするのは勘弁して欲しかったらしい。
「自身の存在に悩み苦悩しているのですよ」
「あれだけ美形のイケメンで何が不満なんっすか?」
小竜姫の言葉に何かを掴んだようなピートに横島は不思議そうに首を傾げるだけだった。
ピートから離れた横島は小竜姫に先程の会話の意味を尋ねるが、横島には小竜姫の真意が理解出来ない。
横島にとっては種族の違いなど見た目よりも遥かに些細なことなのだが、小竜姫はそんな横島の価値観の価値を理解して嬉しそうに微笑む。
「それよりあと一勝でGS免許取得出来ますね」
「本当に俺がGSになれるんっすか?」
「ええ、いずれ美神さんや唐巣さんに負けないGSになれますよ」
悩みながらも試合に向かうピートを遠くから見ている横島と小竜姫だが、横島は間近に迫った自身のGS免許取得がイマイチ信じられないようだ。
コンプレックスの塊のような横島にとって、GSは自身には絶対無理な雲の上の存在である。
実際横島はここまでも何もしてなく小竜姫が授けた心眼が全てやったのだから、GSに成れる実感など皆無らしい。
「小竜姫さまにそこまで言わせて負けたら後が恐いっすね」
実感が全くない横島だが一片の曇りもない信頼の表情を見せる、小竜姫の期待は少しプレッシャーだった。
正直小竜姫にここまでして貰って失敗などしたら後がどうなるのか恐いようである。
「そうですね。 なら負けたら罰として妙神山で当分私の手伝いでもしてもらいましょうか?」
「妙神山で手伝いって……」
後が恐いと言う横島の言葉に面白そうにクスクスと笑う小竜姫は、笑いながら負けた時の罰を告げる。
その瞬間横島は妙神山での手伝いを想像するが、顔色が真っ青になったかと思えばだらしなくにやけたりとコロコロと変わる表情が忙しい。
正直罰としての手伝いが恐い気もするが、今の小竜姫と一緒ならば悪くもないと思ってしまう。
昨日からやたらとボディタッチが多くよく腕を絡ませて来る小竜姫と二人っきりの妙神山も、案外楽しいのではとの邪な想像をしてしまったらしい。
「そうそう勝った時のご褒美は何がいいですか? なんなら混浴とかでも……」
負けた時の罰の損得を考える横島に、小竜姫は耳元で囁くように勝った時のご褒美の話をする。
実際のところ小竜姫は横島がGS免許を取得してもしなくてもどちらでもいいのだが、しいて言うならば免許を取得してからマンツーマンで一から教えたいらしい。
どうしても負けた時が気になる横島に、小竜姫はご褒美の内容をちらつかせることでやる気を出させる方に誘導する。
「こっこっこっ……」
そんな小竜姫の言葉に横島は壊れたように同じフレーズをリピートして、本当に本当なのかと小竜姫を見つめた。
「もう一度確かめますか?」
横島とて流石にもう小竜姫を疑う訳ではないが、あまりにも美味しい話が素直に信じられないのも無理はない。
そんな横島を見つめたまま小竜姫は静かに目を閉じるが……。
「あんた達いい加減にしなさいよ」
先程から周りが居づらくなるほどイチャイチャとしていた横島と小竜姫に、流石に呆れたようなミカ・レイ姿の令子がツッコミを入れる。
小竜姫が横島に本気なのは令子も理解し始めたが、いくらなんでも公衆の面前でイチャつきキスまでするのは勘弁して欲しかったらしい。