その一

 
第四話 タマモの横島獲得大作戦!!



それはいつもと同じような冬の日だった…


その日はとても寒くタマモは、その白く綺麗な手を赤くしながら横島のアパートに急いでいた


タマモはこの3ヶ月…

二日に一回は横島のアパートに遊びに行っていた



それは些細なキッカケが始まりだった…


ある秋の日タマモは考えていた


この事務所は安全だし、ご飯も美味しい

だが、タダで働かされる…

美神は給料などくれるはずもなく…

タマモは納得がいかなかった


自分は傾国の美女だ!

いい男を捕まえれば、もっと幸せになれるはず…


タマモはそんなことを考えて、どんな男を捕まえようか悩んでいた


タマモは周りの男を思い出していた


唐巣神父……

はダメだ…

お人好しすぎる

それに生活力は大切だ…

貧しい生活はしたくない

それに頭が……



タマモは首を振り次の人を考えた


ピートは……

確かに美形だが、私の趣味じゃない


タイガー…… 
嫌!


西条は……

経済的や生活力はあるのよね…

でも、腹黒いし…

一緒に居て楽しくない


後は……


横島は……

優しいのは確かよね…

能力も高いし…

何かあれば守ってくれる…


でもあのセクハラがね~



タマモはため息をついた

どの人もパッとしない…

どこか妥協するか?


大切なのは、平和に暮らして楽しい毎日…


何があっても裏切らない人…


お金は…

ほどほどでいいわね…


タマモはそこまで考えてふと気がついた


優しい性格

高い能力

絶対守ってくれる強さ…


あれ…

横島って意外といい条件かしら?

お金は今は貧乏だけど…

高い能力があるし…

将来に期待できるわね…

我慢するのはセクハラか…


タマモは悩んだ


くだらないようだが、タマモは真剣だった…


そうだ!

私にベタ惚れにすればいいのでは…?


そうすれば、無差別なセクハラを止められるかもしれない!


タマモは決意して、その日から横島を惚れさせる為に動いた


まずは、横島と一緒に居る時間を増やした

一緒に居るのが当たり前になるようにした

鈍感な横島が気がついた時にはベタ惚れになっているはずだった……



タマモは暇さえあれば、横島のアパートに行っていた


事務所では相変わらず冷たい態度をするが、アパートに居るタマモは別人だった…


相変わらず素直じゃないが…

それでも、笑顔が絶えなかった


横島をからかっては、いじける横島を慰める


そして、横島が自分を意識するように、色気も見せていた



そうして、その日もタマモは横島のアパートに来た


ガチャ…


タマモは自分の家のように横島の部屋に入った

「ただいま~ 今日は何でこんなに寒いのよ!」

タマモは横島の部屋を我が家のように、ただいまと言ってコタツに入る


「タマモ… 本当はここは俺の部屋なんだが… すっかり自分の家のようにしちまったな…」

横島は苦笑いしてタマモを見た


「何よ… 嫌なの? 私みたいな美女が来るのが…」

タマモは少し拗ねた様子で横島に話した

そして、妖艶な笑みで横島を見つめた…


「う゛…… そんなつもりじゃないが…」

横島はタマモ拗ねた可愛らしい表情と、傾国の美女の色気に言葉が詰まる


横島の部屋には今やタマモの物がたくさんあった…


服や食器などの生活用品から、タマモが好きな雑誌まで様々だった…


部屋は綺麗に掃除もされており、知らない人が来れば同棲してると勘違いしそうだった


もちろん全てタマモの計算だった


3ヶ月かけて、少しずつ物を増やして行った

部屋もこまめに掃除して…


横島の生活にタマモはどんどん入り込んでいた


「横島、お昼はキツネうどんでいい?」

タマモは冷える体を温めながら横島に聞いた


「ああ、寒いしそれがいいな…」

横島は少し考えて答えた


タマモはなんと、横島の部屋に来れば料理をしていた


レパートリーの八割は油揚げの料理だが……

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