その一
百合子が訪れてから一ヶ月が経過していた
この間横島達は平穏な日々を送っていたが、ある人物は大変なことになっている
《GS美神令子! 史上最大額の脱税が発覚!!》
そんな報道が連日テレビや新聞で賑わっていた
理由は不明だが美神事務所の裏帳簿が突然マスコミに送り付けられて、令子の隠し財産などが世間にばれてしまったのだ
その結果、東京地検特捜部が美神事務所やオカルトGメンにまで強制捜査に入って、GS業界は大混乱に陥ってしまうのだが、GS業界と縁を切った横島達には無関係なことである
「横島ー! 芽が出たでちゅ!!」
朝の日課の修業をしていた横島の元に、嬉しそうなパピリオが走っ来る
「やっと芽が出たか~ ちゃんと水あげたか?」
「バッチリでちゅ!」
昔と違い一年の寿命では無くなったパピリオだが、やはり何かを育てたりするのが好きだった
横島が初めて作った小さな花壇を毎日飽きることなく見つめて、芽が出るのを楽しみにしていたのだ
「じゃあルシオラにも見せてやるか!」
我慢出来ない横島は、修業を途中で切り上げてルシオラの元へ向かう
「だぁ~ だぁ~」
一方、目を閉じて眠っていたルシオラだが、横島とパピリオの気配に気が付いたようで嬉しそうに両手をバタつかせる
「ルシオラちゃん! 花の芽が出たでちゅ!!」
ルシオラを抱き上げて嬉しそうに話すパピリオ
対してルシオラは意味は理解出来ないが、嬉しそうなパピリオにつられるように笑っていた
「ルシオラ! 芽が出たぞ!」
テンションの高い二人は、ルシオラを連れて花壇に走っていく
「あぅ~~」
イマイチ意味は理解してないルシオラだが、やはり横島やパピリオが楽しそうなのが嬉しいようだ
「横島さん~、修業の途中で何処に行ったんですか?」
家の中から小竜姫の声がするが、横島達は飽きることなく花の芽を見続けている
「パピリオどうしたんだい?」
そんな外で騒ぐ横島達に、ベスパと小竜姫とジークが様子を見に来た
「ベスパちゃん! 芽が出たんでちゅ!」
嬉しそうにはしゃぐパピリオに、ベスパ達も思わず笑顔になる
「私達神魔は長いこと生きてますが、花を育てるなどしませんからね。 なかなか新鮮です」
意外かもしれないが、小竜姫達も横島が作る花壇を楽しみにしていた
人界の植物が珍しいと言うこともあるのだろうが、自分達で育てると言うのは経験が無い神魔には新鮮なようだ
「横島ー! もっと花を増やして、庭を全部花でいっぱいにしたいでちゅ!!」
パピリオの頭の中には、花でいっぱいの庭がもう出来上がっている
「もうちょっと様子見てからな。 俺も花を育てるのは良く知らないし、いきなり庭全部に植えても世話しきれないからさ」
微妙に困った様子でパピリオをなだめる横島だが、次に何を植えるかなど考えるのは楽しかった
「平和だね」
ベスパは静かに空を見上げて呟いた
何気ない日々が非常に幸せに感じる自分に、ベスパは内心苦笑いを感じていた朝だった
この間横島達は平穏な日々を送っていたが、ある人物は大変なことになっている
《GS美神令子! 史上最大額の脱税が発覚!!》
そんな報道が連日テレビや新聞で賑わっていた
理由は不明だが美神事務所の裏帳簿が突然マスコミに送り付けられて、令子の隠し財産などが世間にばれてしまったのだ
その結果、東京地検特捜部が美神事務所やオカルトGメンにまで強制捜査に入って、GS業界は大混乱に陥ってしまうのだが、GS業界と縁を切った横島達には無関係なことである
「横島ー! 芽が出たでちゅ!!」
朝の日課の修業をしていた横島の元に、嬉しそうなパピリオが走っ来る
「やっと芽が出たか~ ちゃんと水あげたか?」
「バッチリでちゅ!」
昔と違い一年の寿命では無くなったパピリオだが、やはり何かを育てたりするのが好きだった
横島が初めて作った小さな花壇を毎日飽きることなく見つめて、芽が出るのを楽しみにしていたのだ
「じゃあルシオラにも見せてやるか!」
我慢出来ない横島は、修業を途中で切り上げてルシオラの元へ向かう
「だぁ~ だぁ~」
一方、目を閉じて眠っていたルシオラだが、横島とパピリオの気配に気が付いたようで嬉しそうに両手をバタつかせる
「ルシオラちゃん! 花の芽が出たでちゅ!!」
ルシオラを抱き上げて嬉しそうに話すパピリオ
対してルシオラは意味は理解出来ないが、嬉しそうなパピリオにつられるように笑っていた
「ルシオラ! 芽が出たぞ!」
テンションの高い二人は、ルシオラを連れて花壇に走っていく
「あぅ~~」
イマイチ意味は理解してないルシオラだが、やはり横島やパピリオが楽しそうなのが嬉しいようだ
「横島さん~、修業の途中で何処に行ったんですか?」
家の中から小竜姫の声がするが、横島達は飽きることなく花の芽を見続けている
「パピリオどうしたんだい?」
そんな外で騒ぐ横島達に、ベスパと小竜姫とジークが様子を見に来た
「ベスパちゃん! 芽が出たんでちゅ!」
嬉しそうにはしゃぐパピリオに、ベスパ達も思わず笑顔になる
「私達神魔は長いこと生きてますが、花を育てるなどしませんからね。 なかなか新鮮です」
意外かもしれないが、小竜姫達も横島が作る花壇を楽しみにしていた
人界の植物が珍しいと言うこともあるのだろうが、自分達で育てると言うのは経験が無い神魔には新鮮なようだ
「横島ー! もっと花を増やして、庭を全部花でいっぱいにしたいでちゅ!!」
パピリオの頭の中には、花でいっぱいの庭がもう出来上がっている
「もうちょっと様子見てからな。 俺も花を育てるのは良く知らないし、いきなり庭全部に植えても世話しきれないからさ」
微妙に困った様子でパピリオをなだめる横島だが、次に何を植えるかなど考えるのは楽しかった
「平和だね」
ベスパは静かに空を見上げて呟いた
何気ない日々が非常に幸せに感じる自分に、ベスパは内心苦笑いを感じていた朝だった
27/27ページ