その一
さてGMの襲来から数日後、この日の朝も最近の日課である精神統一をしている横島
本当は霊力を扱う基礎を修業するはずだったのだが、横島の場合霊力の使い方以前の問題だった
「心を静めて下さい。 心を無にして己の力を感じるのです」
小竜姫とヒャクメが見つめる中で精神統一する横島だが、あまりうまくいかない
「全くもう… 誰ですか霊力源が煩悩だなんてデマを教えたのは…」
愚痴りながら横島を指導する小竜姫は、ふと横島が妙神山に来た頃を思い出す
老師が神界から来るまで妙神山待機になった横島に、気合いを入れて修業を始めようとした小竜姫だったが、横島の予想以上の無知と基礎の無さに呆れていた
「横島さんは霊力源が煩悩だと思ってるけど、そもそもそこが違うのねー」
修業を始める前に横島の思考を覗いたヒャクメは、クスクス笑いながら驚きの事実を告げる
「えっ!? でもみんな俺の霊力源は煩悩だって言うから……」
驚き目を見開く横島だが、小竜姫は呆れて言葉も出ない様子であった
「いいですか、霊力の源は魂です。 そんなの霊能者ならみんな知ってる基礎中の基礎です。 確かに霊力のコントロールに煩悩や金欲や復讐など、感情を入れれば簡単に出来ます。 しかし、それはコントロールとは言いません。 感情に任せて霊力を暴走させてるだけです」
呆れながらも一から説明する小竜姫の言葉を素直に聞く横島だが、まるで聞いたことが無い真実である
元々令子は横島に霊能の何も教えることは無く、横島も自分から聞かない
霊能者としての覚悟も自覚も無く、流されるままに戦って来た横島なのだ
そんな中、周りが話した冗談のような話を横島は真に受けていた
そもそも煩悩により霊力を高めたり集中する方法は小竜姫が与えた心眼が、霊能力が開花したばかりの横島に出来る唯一の方法を実行していたに過ぎない
横島の不幸だったことは唯一霊能について教えた心眼が、それ以上を教える前に失ってしまったこと
その為に心眼が教えた緊急避難的方法のままずっと戦っていたのだった
「小竜姫? どうしたのねー?」
「いえ、横島さんの修業を始めた頃を思い出してただけです」
ヒャクメに話し掛けられた小竜姫は、少し驚き現実に戻って来た
「あれは酷かったのねー 霊能者と言うより妖怪みたいだったのねー」
面白そうに笑うヒャクメを、横島はジトッと睨む
「仕方ないだろ? 誰も教えてくれんかったし…、俺だってGSに成りたかった訳じゃないしな」
少しふて腐れたようにつぶやく横島を見て、小竜姫は心が少し痛んだ
(私がいけなかったんでしょうね……)
「小竜姫様は悪く無いっすよ。 俺の自業自得ですし、結果的に今は幸せだから満足です」
少し自己嫌悪になりそうだった小竜姫に、横島は突然笑顔でフォローしていた
「えっ!?」
横島に思考を読まれたと思い小竜姫はドキッとしている
「自分を責めてたのが、顔に出てたのねー」
暗い表情を横島とヒャクメに見破られた小竜姫は恥ずかしそうに俯いてしまう
「横島さんはそのくらい繊細に精神統一して下さい!!」
話をごまかすように修業の話をする小竜姫に、ヒャクメはお腹を抱えて笑ってしまう
「ヒャクメ… 後で覚えてなさいね…」
ケラケラ笑うヒャクメに報復を誓う小竜姫
そんな朝のひと時であった
本当は霊力を扱う基礎を修業するはずだったのだが、横島の場合霊力の使い方以前の問題だった
「心を静めて下さい。 心を無にして己の力を感じるのです」
小竜姫とヒャクメが見つめる中で精神統一する横島だが、あまりうまくいかない
「全くもう… 誰ですか霊力源が煩悩だなんてデマを教えたのは…」
愚痴りながら横島を指導する小竜姫は、ふと横島が妙神山に来た頃を思い出す
老師が神界から来るまで妙神山待機になった横島に、気合いを入れて修業を始めようとした小竜姫だったが、横島の予想以上の無知と基礎の無さに呆れていた
「横島さんは霊力源が煩悩だと思ってるけど、そもそもそこが違うのねー」
修業を始める前に横島の思考を覗いたヒャクメは、クスクス笑いながら驚きの事実を告げる
「えっ!? でもみんな俺の霊力源は煩悩だって言うから……」
驚き目を見開く横島だが、小竜姫は呆れて言葉も出ない様子であった
「いいですか、霊力の源は魂です。 そんなの霊能者ならみんな知ってる基礎中の基礎です。 確かに霊力のコントロールに煩悩や金欲や復讐など、感情を入れれば簡単に出来ます。 しかし、それはコントロールとは言いません。 感情に任せて霊力を暴走させてるだけです」
呆れながらも一から説明する小竜姫の言葉を素直に聞く横島だが、まるで聞いたことが無い真実である
元々令子は横島に霊能の何も教えることは無く、横島も自分から聞かない
霊能者としての覚悟も自覚も無く、流されるままに戦って来た横島なのだ
そんな中、周りが話した冗談のような話を横島は真に受けていた
そもそも煩悩により霊力を高めたり集中する方法は小竜姫が与えた心眼が、霊能力が開花したばかりの横島に出来る唯一の方法を実行していたに過ぎない
横島の不幸だったことは唯一霊能について教えた心眼が、それ以上を教える前に失ってしまったこと
その為に心眼が教えた緊急避難的方法のままずっと戦っていたのだった
「小竜姫? どうしたのねー?」
「いえ、横島さんの修業を始めた頃を思い出してただけです」
ヒャクメに話し掛けられた小竜姫は、少し驚き現実に戻って来た
「あれは酷かったのねー 霊能者と言うより妖怪みたいだったのねー」
面白そうに笑うヒャクメを、横島はジトッと睨む
「仕方ないだろ? 誰も教えてくれんかったし…、俺だってGSに成りたかった訳じゃないしな」
少しふて腐れたようにつぶやく横島を見て、小竜姫は心が少し痛んだ
(私がいけなかったんでしょうね……)
「小竜姫様は悪く無いっすよ。 俺の自業自得ですし、結果的に今は幸せだから満足です」
少し自己嫌悪になりそうだった小竜姫に、横島は突然笑顔でフォローしていた
「えっ!?」
横島に思考を読まれたと思い小竜姫はドキッとしている
「自分を責めてたのが、顔に出てたのねー」
暗い表情を横島とヒャクメに見破られた小竜姫は恥ずかしそうに俯いてしまう
「横島さんはそのくらい繊細に精神統一して下さい!!」
話をごまかすように修業の話をする小竜姫に、ヒャクメはお腹を抱えて笑ってしまう
「ヒャクメ… 後で覚えてなさいね…」
ケラケラ笑うヒャクメに報復を誓う小竜姫
そんな朝のひと時であった